12月21日〜22日の2日間、台湾南部のリゾート地、大鵬湾に2011年10月に建設された大鵬湾国際サーキット(ペンベイ・サーキット)で、『TSFアジア・オールスター・チャレンジ』というレースが開催される。そのレースを取材するべく、オートスポーツweb編集部ヒラノが台湾を訪れた。
「いま、アツいのは台湾だよ」
今年、サーキットでドライバーやフリーランスのメカニックと話をしていた時に、何度も聞いたセリフだ。もちろん気温の話ではない。近年、日本のモータースポーツ界ではアジア戦略がクローズアップされているが、そんな中で台湾では富裕層を中心にモータースポーツ熱が盛り上がってきているという。
その中心になっているのが、台湾南部のリゾート地、大鵬湾をのぞむ旧日本海軍基地跡を利用して2011年に完成したペンベイ・サーキット。そして、そのペンベイ・サーキットで今週末に開催されるのが、『TSFアジア・オールスター・チャレンジ』というレースだ。
このレースには、日本からスーパーGT300クラスで今季ランキング2位を獲得したGAINER DIXCEL SLSが参戦。平中克幸がドライブするほか、横溝直輝や藤井誠暢、密山祥吾や吉本大樹、澤圭太、さらに脇阪寿一も参戦する。また、スーパー耐久からも多くのチームが参加する。
この『TSFアジア・オールスター・チャレンジ』を取材するべく、オートスポーツweb編集部ヒラノは20日、羽田を出発。台北松山国際空港に降り立った。初めての台湾で、まずはひとりでサーキットに向かうところからスタートだ。
台北松山国際空港からは、台北駅までタクシーという手段もあったが、MRTと呼ばれるモノレールを使用してみることに。駅は案内看板や券売機など、日本的な雰囲気で分かりやすい。空港からはMRT文湖線に乗り、忠孝復興駅で板南線に乗り換えるが、人は多いもののスムーズに乗り換えられた。
台北駅からは、“高鐵”に乗る。これは台湾の新幹線で、略称THSR。実はこの新幹線、日本の技術を使ったものだそうで、外観も内装も日本のものそっくり。案内表示が中国語なくらいだった。これに乗り、1時間半ほどかけて、高雄市の左営駅に到着した。
ここからはオーガナイザーが迎えに来てくれたので、クルマで移動。高速道路を使い約1時間半ほど。やっとペンベイ・サーキットに到着した。ちなみに、道路は日本と異なり右側通行だが、案内表示はやっぱり似ている。道行くクルマは7割程度が日本車。2割はドイツ車で、あとは韓国車、アメリカ車などもちらほらと見かけた。
ほぼ半日をかけてペンベイ・サーキットに到着したこともあり、すっかりサーキットは暗くなっていた。ただ、随所で見かける“日本っぽさ”のおかげでストレスは少ない。ただ、この日も走行はあったが、それには間に合わず。ピットでもほとんどの作業が終わり、オーガナイザーが用意したディナーパーティがパドックで始まろうとしていた。
その一角には、脇阪寿一をはじめ日本人ドライバーが今回多く所属するトップスピード・レーシングのテーブルがあったので、そこに混ぜてもらった。すでにチームメイトとなる台湾の参加ドライバーとも打ち解けており、笑顔が絶えない様子。21日は予選が始まるが、サーキットの雰囲気やレースの状況をお届けする予定だ。