F1日本グランプリでレース終盤、素晴らしい追い上げをみせレースを沸かせた小林可夢偉。可夢偉がかつて受講していたフォーミュラトヨタ・レーシングスクール(FTRS)時代に講師を務めていた土屋武士は、可夢偉の走りを見て「単純に見ていて嬉しかったですよね。スクールの時に面倒を見ていた子が、日本のヒーローになった」と喜びを語っている。
日本グランプリの当日は、サーキット内のモニターからレースの模様を見ていたという土屋。可夢偉が二期生としてFTRSに在籍していた頃に講師を務めていた土屋は、「単純に見ていて嬉しかったですよね。スクールの時に面倒を見ていた子が、僕らの、日本のヒーローになった」と“生徒”の活躍に笑顔をみせた。
「小学校の担任のような気分でしたよ(笑)。教え子がメジャーリーガーになったとかよく聞くでしょ? あれと同じ気分。顔をニヤニヤさせながら見ていました」
今や日本のみならず、世界中からも期待の若手として見られるようになった可夢偉。ファンやメディアからの注目も当時とは比べものにならないが、「彼はすごくナチュラルな状態でF1まで来た。僕らが知っているままでF1まで行っちゃった感じですよね(笑)」と当時と変わらないと語る。
「僕らにとってはF1まで行って『スゴいな』と感じるけれど、彼にとってはまだただのスタートなんですよね」と土屋。
「今回の活躍で、ひいき目無しでセバスチャン・ベッテルの時のように、世界にその存在を知らしめた。それほどまでに突出した才能を持っていると思いますし、世界中のファンが『次は可夢偉はどんなレースをしてくれるんだろう?』という期待を持ったと思う。ザウバーのマシンであそこまでやって、誰も抜くなんて思っていない場所であれだけオーバーテイクを決めてきた。やっぱり人の力ですよね」
土屋は週末、フォーミュラ・ニッポンオートポリス戦の解説のため九州に向かうが、「国内のドライバーにとっても、“可夢偉効果”があると思う。フォーミュラ・ニッポンのオートポリス戦も楽しみなレースになるんじゃないかな」と週末のレースに向けて、国内ドライバーの奮起を期待した。
