11日、トヨタF1は第16戦ブラジルGPでサードドライバーの小林可夢偉がF1デビューを果たすと発表した。第15戦日本グランプリの予選でクラッシュ、負傷していたティモ・グロックの代役を急遽務めるためだ。
ちょうど東京・お台場で開催中の『モータースポーツ ジャパン 2009 フェスティバル イン お台場』にトヨタF1のデモランのために来場中の可夢偉にとって、待望のF1デビューのチャンスがやってきた。11日にトヨタから発表されたリリースによれば、グロックは日本GPの予選でクラッシュした後、ドイツで受けた検査で、脊椎が損傷していることが判明。医師の診断により、ブラジルGPへの参加を見合わせることにしたという。
モータースポーツ ジャパンの会場内で、中嶋一貴とともにトークショーに出演した可夢偉は、トークショーの最後に登場した山科忠トヨタF1チーム代表から、「たぶんここが世界で初めての発表になると思いますが、ブラジルGPで小林可夢偉をティモに代わってレースドライバーに起用します」と宣言されると、嬉しそうな顔で一礼。「ここまで育ててくださった両親をはじめ、皆さんに本当に感謝しています。チャンスなので、本当に頑張ります」と意気込みを述べた。
可夢偉はカートを経て渡欧し、2005年にフォーミュラ・ルノーのイタリア選手権、ヨーロッパ選手権のダブルタイトルを獲得。F3ユーロシリーズを経て、08年からGP2/GP2アジアシリーズに参戦、09年GP2アジアシリーズタイトルを獲得している。トヨタF1では07年からサードドライバーに就き、テスト等を担当してきた。
可夢偉はこの後、モータースポーツ ジャパン 2009の会場内でデモランに登場する予定。世界に先駆けてお台場から可夢偉の生の声が発せられるとともに、レースドライバーとして初めての走行が見られるはずだ。
