TOCHIGI Le Beausse Motorsports
FCJ
http://www.lebeausset-motorsports.com

山下健太が驚異の3連勝で、チャンピオンを獲得!
スポット参戦の久保凛太郎は、2戦で完走果たす。

フォーミュラチャレンジ・ジャパン第10戦・第11戦・12戦 鈴鹿サーキット(5.807km)

 FCJ(フォーミュラチャレンジ・ジャパン)の最終ラウンドとなる第10戦、第11戦、第12戦が、11月9日(土)~10日(日)に鈴鹿サーキットで開催され、とちぎル・ボーセモータースポーツのサポートドライバー山下健太に加え、今年スーパーFJもてぎ選手権に参戦しチャンピオンを獲得した久保凛太郎がスポット参戦。すでにFCJは今年限りでの終了を発表しており、これが正真正銘最後のレースとなる。

 ここまで9戦を戦い、山下は1勝を挙げてランキングは3位。トップとは11ポイントの差があるものの、3レースもあることから最大35ポイントの加算が可能とあって、逆転は決して不可能ではない。また、久保にはスーパーFJもてぎチャンピオンとして、ひとつ上のカテゴリーでどれだけ通用するか、ふたりには違ったテーマでの期待が込められた。

第10戦/第11戦 予選
11月9日(土)
天候/晴れ コース状況/ドライ
 今回は3レース開催されるが、予選は2回行われ、1回目が第10戦の、2回目が第11戦の決
勝グリッドを決め、第12戦に関しては第11戦のベストラップ順に決められることになっている。木曜日から合同テストが行われ、コンディションには恵まれなかったものの、山下は3セッションすべてトップ6に。久保は初めてのマシンということもあって、まずは習熟に充てることとなった。

 金曜日の専有走行になって、ようやく完全なドライコンディションとなり、山下は3セッションのうち2セッションでトップタイムをマークしただけでなく、総合トップタイムも記録して、本戦に期待を大いに抱かせた。久保は最初のセッションでクラッシュもあり、トライ&エラーを繰り返しながらの走行で本戦に向かうこととなった。

 明けて土曜日の予選の頃はまだ青空が浮かび、アタックには最適なコンディションとなっていた。ほとんどの車両がピットロードオープンと同時に飛び出していく中、クリアラップを取って走り続けるため、山下はあえて間隔を置いてスタート。タイヤの特性上、いきなり全開で走るのではなく、徐々にタイムを伸ばしていった山下は、4周目に2分2秒台に乗せてトップに浮上。そのままタイムを短縮し続けて2秒584をマークし、2番手にコンマ3秒の差をつけて、ひとつ目のポールポジションを奪う。

 続く第11戦の予選も同様に、徐々にタイムを縮めていくが、すでに熱の入ったタイヤということもあり、2周目には早くも2秒台へ。そして6周目には2秒517にまで縮め、ここではコンマ2秒差をつけて、ふたつ目のポールポジションを奪うことになる。この段階でポールポジションポイントを獲得し、山下とランキングトップとの差は、9ポイントにまで縮まった。

 一方、未だ走りに納得のいかぬ久保だったが、昨日までのベストタイムをしっかり更新。第10戦の予選で4秒172、第11戦の予選で4秒303を出し、それぞれ13番手、14番手から決勝に臨むことに。レースの中で光るものを見せてきたドライバーだけに、どこまで順位を上げてくるか注目された。

第10戦 決勝
11月9日(土)
天候/曇り コース状況/ドライ
 予選終了から2時間と置かず、さっそく第10戦決勝レースが行われた。スタートシグナルが点灯せず、スタートディレイとなって12周レースが11周に短縮されるハプニングはあったが、それでも集中力は欠かさなかった山下。1コーナーまでにしっかりけん制してライバルの逆転を許さず。5周目までは背後に2台を置いたが、そのバトルが激しくなったのを見計らったかのようにペースを上げ、引き離しに成功。タイヤを温存していたこともあり、きっちり最終ラップにはファステストラップも記録して2勝目をマークする。そして、1ポイント差ではあるが、早くも山下はランキングトップに躍り出た。

 一方、久保は好スタートを切り、一気に10番手に。中段グループの中で少しでも上位にと攻めた走りを展開するが、7周目のシケインでスピン。フロントにダメージを負いピットで修復を試み再び走り始めるが義務周回数不足でリタイア扱いとなった。

第11戦 決勝
11月9日(土)
天候/曇り コース状況/ドライ
 土曜日の最終スケジュールとして行われた第11戦決勝レース。ここでもスタートをそつなく決めて、山下は1コーナーにトップで飛び込んでいく。第10戦と異なっていたのは、早々と勝負を仕掛けたこと。本来、3レースを通じ、使用できるドライタイヤは1セットのみだが、第12戦が行われる日曜日は雨の予報。それを信じるならば、もうタイヤをいたわる必要はなく、5周連続でファステストラップを更新し続けて、差が1秒半となる安全圏に持ち込むと、ややペースをコントロールするが、それでも後続は近づくことなく、2戦連続のフルポイントを獲得し完全優勝を遂げることとなった。その結果、ランキング2位との差は7ポイントにまで拡大。

 一方、久保はまたも好スタートを切って、10番手にジャンプアップし、そこからはバトルの連続。既にシーズンを通じて参戦するドライバー達との攻防の中で、ポジションは落してしまったものの、接触することなく学べたことで、13位という結果以上に間違いなく多くの収穫があったはず。残りの一戦で、その成果を見せてくれることが期待された。

第12戦 決勝
11月10日(日)
天候/雨 コース状況/ウェット
 日はあらたまって、いよいよこれが正真正銘FCJのラストレース。それぞれ異なる心境を抱いて決勝レースに並ぶこととなった。第11戦でファステストラップを記している山下は、3戦連続でポールポジションからのスタート。久保は14番手から、どこまで追い上げてくるか。スタート進行が始まった頃には雨は降っておらず、全車ドライタイヤを装着したが、フォーメイションラップの最中に雨は急に強く降ってきたこともあり、またもスタートはディレイとなりウエットタイヤに交換される。

 完全に雨で黒く染められた路面の中、山下は絶妙のクラッチミートで1コーナーをトップで通過。後続が不安定な走りを見せる中、ひとりまったく危なげない走りで1周を終えた段階で早くも1秒6の差を築く。6周連続のファステストラップ更新を果たした時には、もはや4秒差となっていた。あとはゴール目指して走り続けるのみ。最終的に5秒4もの大差をつけて3連勝。このレースウィークだけで34ポイントを獲得した山下は、世紀の大逆転でFCJ最後のチャンピオンを獲得することとなった。

 そして、久保は3戦連続で好スタートを切り、1周目終了時には9番手にジャンプアップ。3周目にはひとつ順位を上げるも6周目の1コーナーでスピンし、10番手へと後退する。11周目には前車に追いつき攻めようとしたところでオーバーランを喫したが、ラスト6周を丁寧に走り続けて、10位でフィニッシュ。ラスト2戦を無事完走することとなった。

坪松唯夫
山下にとって自分のスピードをアピールするには絶好の機会となった。やはり、追う立場のドライバーは失うものは無く、強気のレースを見せてくれる。昨年、スーパーFJのタイトルを獲得した時に、この日が来ることを期待していたが、周りが想像できる最高の結果を残しことは彼自身の努力の賜物である。久保は、スーパーFJのタイトルを獲得した時点で、更に上を目指すならば、早いうちに上のカテゴリーを経験させる必要があった。当然、限られた走行時間内での本番になったが、さまざまなことを経験し吸収できたレースになったと思う。今後の2名のドライバーの活躍にご期待頂きたい。

Driver 山下健太
FCJで鈴鹿を走るのは、このレースウィークが初めてということもあって、正直サーキット入りする前は自信があったわけではありませんでした。木曜日の練習から感触も良く、予選までにうまく合わせていくことができました。その結果、全部勝ててチャンピオンになれたことはすごく嬉しく思います。
特に3レース目、雨の鈴鹿はほとんど走ったことがなかったのですが、木曜日の公式練習で1セッションだけ雨の中を走ることができ、その時にどこがグリップするか、どのラインがいちばん良かったか考えて走り、早々と差も広げられたので。3連勝はすごく自信になりましたし、特に雨の中の独走は凄く自信になりました。ただ、そのレースでファステストラップだけ獲れなかったので、そこがちょっと悔しいです。
シーズン最初の頃は結果も残せず、かなり苦戦したのですが、ようやくこの鈴鹿ラウンドから思いどおりの走りができるようになって、晴れでも雨でも速く走れたことに、自分でもすごい成長を感じます。レベルが高く、クルマを速く走らせるのが難しいFCJだからこそシリーズチャンピオンが獲れて、本当に良かったです。応援ありがとうございました。

Driver 久保凛太郎
このレースウィークが、鈴鹿での初めてのFCJとなったのですが、走りだしの木曜日の天候が不安定で、ウエット、セミウエット、ドライとそれぞれのコンディションでの走行となったのですが、初めてのFCJを戦う自分にとっては、それぞれのコンディションを攻略する時間が少ない状況でした。金曜日にはドライでの走行となったのですが、最初の130Rでのクラッシュでリズムを崩してしまったのが反省です。決勝では少しでも多くを学ぼうと挑みました。レースの中でレギュラードライバーとのバトルもできましたし、FCJに出て新しい走らせ方を学ぶことが出来ましたので、もっと上位にいけるという自信も持てました。来年はこの貴重な経験を生かせるように準備していきたいと思います。応援ありがとうございまし

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