2レース制で開催されている全日本選手権スーパーフォーミュラ第7戦鈴鹿。最終戦となり、チャンピオン争いも大詰め。山本尚貴(TEAM無限)が連続ポールポジションを獲得した予選終了時点での、タイトル争いの状況について整理しよう。

 まずドライバーズチャンピオン争いだが、山本がダブルポールポジションを獲得したことで計2点を追加し、獲得総ポイントを26へと伸ばした。今回欠場のアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)との差は現時点で11点まで縮まり、明日の決勝で山本は最低限1勝を含む連続表彰台なら逆転初戴冠となる見込みだ。

 決勝は第1レース、第2レースとも優勝8点、2位4点、3位3点という配点なので、連続ポール・トゥ・ウイン(16点)ならもちろん、1勝+2位(12点)でも逆転は可能。1勝+3位(11点)ならトータル37点でロッテラーと並ぶが、その場合はスーパーフォーミュラ統一規則41条により「高得点を得た回数の多い順」でシリーズ上位が決まる。

 この比較をする際、最終戦のふたつのレースを個別に扱うか、合計で扱うかでシリーズ上位(チャンピオン)が変わってきてしまうのだが、これに関してオートスポーツwebではJRP関係者を通じ、全日本選手権タイトルを管轄するJAFの理解として「第1レースと第2レースの結果に基づき付与される得点を加えて第7戦(最終戦)の結果とする」との意を得ている。

 これによるならば、同点想定の場合は山本の最終戦総得点13(予選の2点含む)が比較上で最強の高得点となり、山本に軍配が上がるはずだ。第1レースで山本が表彰台を逃すようなことになると、その時点でロッテラーの2年ぶり2度目、PETRONAS TOM'S勢の3年連続のドライバーズタイトル獲得が決定する。

 チームチャンピオン争いの方は、前戦終了時点で51点のPETRONAS TEAM TOM'Sが首位、これを36点のKYGNUS SUNOCO Team LeMansが追っている状況。他のチームにはすでに権利がなく、またチーム部門にはポール得点が与えられないため、予選終了時点で両軍の15点差にも変化は生じていない。

 チーム部門には2レース制の優勝ボーナスポイントもないので、各レース優勝5点、2位4点、3位3点、4位2.5点、以下0.5点刻みで8位までという配点基準に照らすと、今回の最大可能得点は通常1レース制と同じ18。つまり逆転するためには最低16点が必要なKYGNUS SUNOCO Team LeMansにとって、状況はかなり厳しいと言わざるを得ない。

 ちなみに同点時はいかなる想定でもPETRONAS TEAM TOM'Sが上位。つまり中嶋一貴&ジェームス・ロシターが決勝日に計3点を獲得した時点で、PETRONAS TEAM TOM'Sは2シーズンぶり2度目のチームタイトル獲得を決められることとなる。

 なお、決勝第2レースはドライタイヤでスタートした場合、1回のタイヤ4本交換が義務づけられる。レインタイヤでスタートした場合はこの義務は適用されないのだが、決勝日は雨も懸念される状況のようだ。

 考えたくはないが、万一レースが成立しなかったり、ハーフポイント決着になったりするような事態になると、ドライバーズチャンピオンを追う立場の山本には辛い。条件想定が煩雑で正確な物言いは難しいが、仮にどちらか一方のレースがハーフポイントとなった場合は、2連勝での4+8点獲得が山本の唯一の戴冠条件となり、2レースともハーフポイント決着、あるいはどちらか1レースでも成立しなかった場合は、ロッテラーの無条件戴冠となるだろう。

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