2004年〜2006年と3年連続でスーパーGT300クラスのチャンピオンを獲得、今季もSUBARU BRZ R&D SPORTをドライブしていた山野哲也が、今シーズン限りでスーパーGTを“勇退”することになった。

 山野は1992年からジムカーナの全日本チャンピオンを獲得、今季まで合計15回のチャンピオンを獲得する一方で、サーキットレースにも参戦。1999年から当時の全日本GT選手権に参戦し、2004年にはホンダNSXで、05年にはトヨタMR-Sで、06年にはマツダRX-7でと、異なるマシンでGT300クラスの3年連続チャンピオンを獲得するという偉業を達成した。

 2007年からは当時スバル・インプレッサを走らせていたクスコ・レーシングに移籍。2008年にはAWDのインプレッサで優勝を飾り、以降は一貫してスバル車でスーパーGTに参戦。インプレッサ、レガシィ、BRZと多くの車種を“勝てる車両”に育て上げてきた実力は健在で、今季も第5戦鈴鹿で優勝を飾っていた。

 しかし、チャンピオン獲得の可能性を残し臨む今季最終戦もてぎを前に、山野は今シーズン限りでの“勇退”を宣言した。

「“引退”ではないよ。“勇退”とは後進に道を譲るという意味があるのね。今後スーパーGTに出るか出ないかは分からない。だけど、スーパーGTにおける、スバルのファーストドライバーの座は後輩に譲るという意味」と今回の発表について説明する山野。

「今年はBRZをすごく速くさせることができた。2007年からずっとスバルひと筋で開発も兼ねてやってきて、すごく達成感がある。去年だったら辞められないけど、今年は速くなって、チャンピオン争いをすることができたし、鈴鹿のコースレコードを更新することもできた。速さは十分みせられたと思う」

「まだ速さがあるうちに次のステージを考えて、今後後輩に道を譲って、チャンピオン争いをする時に『お前たちの番だぞ』と言って去りたいと思っている」

 今も一線級の速さ、高い開発能力とドライビングテクニックを見せ続けている山野は「モータースポーツへの参加をやめるつもりはないし、まだまだ他のカテゴリーではタイトルや記録に挑んでいきたい」という。スーパーGTでスバル車を駆る山野は見られないかもしれないが、今後さまざまなカテゴリーで活躍するシーンはまだまだ見られそうだ。

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