今季F1復帰を前にメルセデスGPの発表会に出席したミハエル・シューマッハーに対して、メディアから過去のアンフェアな行為に触れた質問が投げかけられ、シューマッハーは怒りを表した。
7度のタイトル、91勝という圧倒的な記録を打ちたて、史上最も成功を収めたF1ドライバーであるシューマッハーだが、何度か物議をかもす行動をとったことも周知の事実だ。1994年にはデイモン・ヒル、1997年にはジャック・ビルヌーブに対し、それぞれタイトルがかかったレースで接触、これが故意の行為であると見なされた。2006年モナコの予選では、ラスカスでマシンをとめ、フェルナンド・アロンソのアタックラップを邪魔する結果となったが、シューマッハーは自らのタイムを更新されまいとして故意にマシンをとめたものと考えられている。
こういった過去をほのめかす形で、若手ドライバーを相手に正しいやり方で立ち向かえる力があるかどうかを試すために戻ってきたのかとの質問がなされ、シューマッハーは皮肉たっぷりに答えた。
「91勝、7回のタイトルだ。よくないやり方でしか取れない。もちろん僕は(自分自身を)試す必要がある」
勝てるかどうか力を試すという意味ではなく、正しい勝ち方で勝てるかどうかを試すという意味だと重ねて言われたシューマッハーは激しい口調で「分かってる。今までの勝利のすべてを君たちが言おうとしているようなやり方で獲ったんだ」と答えたという。