今年で50周年を迎える富士スピードウェイ。東京オートサロン2016では、そのメモリアルな一年に華を添えるように、富士スピードウェイのブースで関谷正徳監督(1949年生まれ)と星野一義監督(1947年生まれ)、日本のレース界のレジェンドふたりによるスペシャルトークショーが開催された。
ふたりはともに静岡県出身で、さらに同じ町の出身。河原をバイクで走っていた星野監督の当時を関谷監督は少年は時代より知っており、憧れだったことを明かした。そしてふたりは富士スピードウェイでレーシングドライバーとして育ったことを懐かしく、そして面白おかしく語り合った。
トークも後半に差し掛かると、テーマは「これからの50年」へ。その始めとして今季の話題に話が及ぶと、トークはヒートアップしていき、いつもの星野節が炸裂。関谷監督もそれに応え、訪れたファンを笑いの渦に巻き込んだ。その一部をお届けする。
関谷「スーパーGTはこの2年、ニッサンにやられていて悔しいですから、チャンピオンを目指したい。スーパーフォーミュラは比較的成績がいいので、トムスとしてはF3と合わせて参戦カテゴリー全制覇、すべてチャンピオンが目標です。それはまだ実現できていない。ですので、星野さん、すみません!」
星野「そうは甘くねえ!(笑)。今年はいいアイデアがある」
関谷「?」
星野「(中嶋)一貴と(アンドレ)ロッテラーをウチで走れるようにする。今年はチェンジする」
関谷「じゃあ、星野一樹をウチで走らせようかな?」
星野「レースを面白くしないといけないから、ロッテラーと一貴がビンビン行っちゃったらつまらないからね。だから関ちゃん、J-P(デ・オリベイラ)よろしくね」
関谷「ロッテラーとトレード(笑)」
星野「ロッテラーと一貴はウチ!」
関谷「その件は舘(信秀トムス代表)にさせて下さい」
星野「すみません。ウチ、まだ今年のドライバー決まってません」
最後は星野監督が冗談と謝ったところでこの話題は終わったが、会場に訪れたファンとしては、そんなシャッフルを見てみたいと思わせる、星野監督ならではトークに夢を見た瞬間だった。
トークの終盤には関谷監督に代わって富士スピードウェイで平チェカでお馴染みの平手晃平選手が登場。恐縮しながら星野監督とのトークショーに臨んだ。
すると早速……
平手「僕は2008年から2011年まで、スーパーフォーミュラでは星野監督のインパルで走らせてもらいました。2010年には優勝して結婚することができましたので、星野監督のお陰です」
星野「まだ替えていないの?」
平手「ま、まだ!? あの時の彼女です。子供もふたりいます。替える予定はないですよ!(笑)」
星野「あ〜そう。早く新車にしろよ。クルマは新しいのに限る」
平手「(笑)」
さらには星野監督から「今年も同じチームなの?」と聞かれ、「え〜と……って今、答えそうになったじゃないですか!」とレース界のレジェンドからの予想外の連続攻撃に、平手選手は完全にタジタジ状態。さらにサッカー女子、澤穂希選手の引退試合の決勝ゴールに話が飛ぶなどなど、今まで以上にキレキレの星野節に新年早々、会場のファンは酔いしれてしまったのだった。
ふたりのトークショーは最終日にも13時30から開催される。