2014年からF1では最終戦のみ通常の2倍のポイントが与えられることが決まったが、この規則変更に関して期待がかけられる一方で大きな懸念が生じている。
最終戦のダブルポイントに関し、9日、F1ストラテジー・グループおよびF1コミッションの会合において合意がなされた。
F1史上初めて、ひとつのレースだけ他のレースの倍のポイントが入賞者に与えられることになり、2014年の最終戦アブダビGPではウイナーに50ポイントが加算される。
このレギュレーションが導入されたのは、タイトル争いの決着をできるだけ遅らせたいとの考えからだ。2013年にはセバスチャン・ベッテルが19戦中第16戦インドGPでタイトルを獲得、4年連続でチャンピオンの座についた。
しかし最終戦のみ倍のポイントを与えることへの懸念がすでに広がっている。
最終戦でエンジントラブルが発生したり、他のドライバーにヒットされてリタイアするなどの不運に見舞われたドライバーは、非常に大きな被害を被ることになる。
2014年はF1に1.6リッターV6ターボエンジン導入という大きなレギュレーション変更がなされるが、19戦を5基のパワーユニットで乗り切らなければならず(今季は8基)、それを超える場合にはグリッドペナルティあるいはピットレーンからのスタートを強いられる。
シーズン終盤にはそういったペナルティを受けるドライバーが多数出るものとみられ、それがタイトルの行方を左右し、本来ならチャンピオンにはなれなかっただろうドライバーが最後にランキングトップに立つ可能性があり、行き過ぎの措置であるとの声もある。
BBCのF1チーフライターであるアンドリュー・ベンソンは、このアイデアを出したのはバーニー・エクレストンであると示唆し、エクレストンはベッテルと親しい関係ではあるものの、ベッテルとレッドブルが圧倒的優位に立っている時代が長く続いていることを懸念していると述べている。
この新規則に対するファン、特に熱心なF1ファンからの反応は圧倒的にネガティブなものが多いものの、F1チームの上層部は、こういった“ギミック”が大勢の人々の興味を引くことを期待していると、BBCは記している。