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スーパーGTニュース

投稿日: 2011.06.21 00:00
更新日: 2018.02.16 03:07

本山「無交換でも同じペースで走れるはずだった」


スーパーGT 2011/RD3
SUPER GT INTERNATIONAL SERIES MALAYSIA/決勝速報

公式予選  6月18日(土)
天候:晴れ時々曇り 路面:ドライ 気温:34℃ 路面温度:44℃(公式予選1回目開始時)

 事実上の開幕戦となった富士ラウンドで勝利し、最高のシーズンスタートを切った23号車「MOTUL AUTECH GT-R」は、続く岡山ラウンドでも40kgのウェイトハンデにより一発の速さこそ殺がれてしまったものの、決勝ではその影響を感じさせないキレのある走りで周回を重ね、堂々の5位入賞。ランキングトップをキープしたまま第3戦を迎えた。

 今回は最大ウェイトハンデを背負っての戦いとなるが、現在日産勢としてもセパン4連覇中と好相性であり、ファンの期待は大きい。ここセパンでは酷暑対策としてGT-R勢がルーフにエアダクトを装着するのが常である中、23号車は少しでも空気抵抗を減らすためにダクトのないルーフを採用し予選に挑んだ。

 午前の練習走行では、この日アタッカーを務めるブノワ・トレルイエがメインで走行しセットアップを進める。予選シミュレーションでのベストタイムは1'59.471。順位は13位。
好天の中、午後2時15分よりスーパーラップ進出を賭けた公式予選一回目が開始。23号車はまず、本山哲がコースイン。4周を走行し予選通過基準タイムをクリアすると、ピットに戻る。代わってステアリングを握るブノワは、混走の時間帯に一度コースインしてマシンの状態を確認すると、専有走行時間帯のラスト10分に備え集中力を高めていく。そして期待通りに渾身のアタックを見せ、練習走行でのベストタイムから1秒近く短縮する1'58.565をマークするが、やはり僅差で12位に留まる。52kgのウェイトハンデは厳しく、惜しくもスーパーラップ進出はならなかった。

●本山選手のコメント
「正直言って、52kgのウェイトハンデは厳しかった。セパンは意外とアップダウンもあるし、ストレートエンドでのフルブレーキングも、そこから先のフル加速でも(ウェイトハンデが)ジワジワ効いてくる。でも、決して諦めているわけではありません。決勝に向けてセットアップも進めてきたし、ベンちゃんと二人で追い上げていこうと思っています。」

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決勝 6月19日(日)
天候:晴れ時々曇り 路面:ドライ 気温:34℃ 路面温度:42℃(決勝開始時)

 シリーズ唯一の海外ラウンドとなる第3戦、決勝がマレーシアのセパンインターナショナルサーキットで行われた。事前には様々な天気予報が情報として出回っていたが、結局この日も前日に引き続き、ドライコンディションに終始した。

 決勝での追い上げに期待がかかる23号車「MOTUL AUTECH GT-R」。午前9時40分から行われたフリー走行ではブノワ・トレルイエ、本山哲の両ドライバーがしっかりと走りこみ、決勝セットの最終確認を行った。

 オープニングセレモニーを終えると、いよいよフォーメーションラップが開始。1周のローリングラップを終えた午後4時04分、正式に決勝のスタートが切られる。12番グリッドの23号車は、スタートドライバーにブノワを起用。スタート直後の混乱を避けると、その後は粘り強い走行でジワジワとポジションを上げていく。17周目から各マシンピットインに向うが、ピットインを引っ張った23号車は24周目、トップにまで進出してみせた。

 なおも4周にわたりトップを快走したブノワは、29周を走り終えたところでピットに向かう。そして後半のスティントを担当する本山に交代するが、このルーティンのピットワークで注目されたのが、タイヤ無交換作戦だった。前回の岡山でも同様の作戦を採った23号車だが、タイヤに厳しいセパンでの無交換は奇策だといえた。ともかくこの作戦により23号車はピットタイムでのロスを削り、5番手でコースに復帰することに成功した。

 しかしその後、本山は周回毎にジワジワとポジションを落としてしまう。やはりタイヤ無交換作戦は失敗だったのか、ラップペースを上げることが出来なかった。だがペースが上げられない理由はタイヤではなかった。23号車は前半スティントから、サスペンションのトラブルに見舞われていたのだ。これでコーナーを攻めることが出来なくなった本山だが、それでも何とかポイントをもぎ取ろうと、抜かれたコーナーの先ではラインをクロスさせ再び抜き返すことにトライするなど、終始攻めのドライビングに徹した。

 23号車は最終的に14位まで後退し、チェッカーを受けることになった。そしてノーポイントに終わりながらも、辛くもランキングトップを守った。しかし観戦していた多くのファンはそんな数字上のことよりも、その心に焼きついた23号車の“戦う姿"に何よりも、タイトル奪還の可能性を感じているに違いない。

●本山選手のコメント
「52kgのウェイトは、やはり厳しかった。それでもベンちゃんが激走してポジションアップしてくれていたので、自分としても同じようなペースでは走っていけると思っていたし、そのつもりでした。それは、タイヤ無交換であっても。リヤに少しトラブルがあったみたいで、右コーナーでマシンが思うように曲がっていかず、ペースが上げられなくなった。悔しいですが、これもレース。次のSUGOでも似たようなレース展開が予想されるので、今度はポイントを多く獲得出来るよう頑張ります。皆さん、SUGOでも応援よろしくお願いします!」


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