タイのブリーラムに建設され、10月4日〜5日にスーパーGT第7戦が開催されたチャーン・インターナショナル・サーキット。建設開始から1年ほどでスーパーGT関係者が称賛する素晴らしい規模のサーキットを建設し、3日間合計で13万人もの観衆を集め成功裏に終わったイベントだが、そうなると今度は現地で観戦してみたいもの。では、日本からアクセスしてみた場合はどうなるのだろうか? 今回、編集部はすべて“自力手配”で取材を行ったので、その様子をお届けしておこう。
チャーン・インターナショナル・サーキットは、タイの東北部にあるブリーラムに建設されたサーキット。ブリーラムはタイの首都バンコクからはクルマで400km近く。東京駅から、三重県の鈴鹿サーキットまでクルマで移動するのとそれほど変わらない。ちなみに、バンコクからブリーラムにある空港までは国内便の飛行機も飛んでいるが、現状では2日に1便ほど。ノックエアーという航空会社のプロペラ機で、座席数はそれほど多くない。
そこで日本からブリーラムまで向かった多くのスーパーGTチーム関係者やメディア等は、今回はGTアソシエイションの協力の下ツアーが組まれ、バンコクからブリーラムまでチームスタッフやメディアは観光バスに乗ったり、ドライバー等はスーパーGTのゼッケンが貼られたハイエース(中は改造されていてより快適なシートになっている)で移動した。ホテルも多くが割り振られ、ブリーラム市内、もしくは隣町(といってもクルマで40〜50分ほど)のスリン等、さまざまな場所に宿泊した。
日本人にとってタイ語はなかなか難しく道路標識も読みづらく、道路事情も同じ左側通行とは言え大きく異なる。それゆえのツアーで、チームやドライバーによってはさまざまなプランを組んでいたが、今回、我々はそんな中で移動、ホテルともすべて自分たちで手配し、現地に向かった。もちろんタイを何度も訪れている方や現地にお住まいの方にとっては当たり前の情報(実情と違う部分もあるかもしれない)が、何かの一助になれば幸いだ。
ちなみに、サーキットそばに本拠地があるタイ・プレミアリーグのサッカークラブ、ブリーラム・ユナイテッドは現在首位。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)でJリーグチームと対戦する可能性もあるので、ACLに出場する可能性があるJリーグサポーターにとっても気になるところかもしれない。
●道は意外に迷わない!? 路面の悪さと現地ルールにちょっと閉口
今回編集部から取材・システム担当関連で現地に向かったのは3名。初開催ということもあり、搬入日にあたる木曜日(2日)の前日、1日の早朝にバンコクのスワンナプーム国際空港に到着した。今回はそれぞれ、バンコク〜ブリーラムの“移動日”を設けたスケジュールだ。朝、まずは空港内で事前に予約してあったレンタカーをピックアップ。ここではまず英語は問題ない。
ちなみに今回は事前にいろいろな噂がGT関係者の中にあったが、道がかなり悪い……ということも想定して、四駆をチョイス。出てきたのは現行の4代目CR-V。これにカーナビをつけて、18000バーツ(約6万円)。6泊7日の値段なので、割とお安めだ。ちなみにCR-Vはかな〜り快適にドライブすることができた。
↓今回のルートはコレ。おそらくツアーも同様
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3人の中でいちおう最も運転に慣れているヒラノがステアリングを握り、まずは発進。空港を出て高速7号線に乗り、幹線道路の1号線から2号線、24号線を通り、ナンロンという街で左に曲がり218号線を通りブリーラムへ。実質分岐点は8カ所くらいしかないが、休憩1回/渋滞10分ほどを挟み、5時間半ほどの行程で無事にサーキットに到着することができた。
今回、一度も迷わずサーキットに着くことができたのには、スマートフォンの力が大きい。Googleマップに目的地を入れナビとして使用したのだが、驚くほど正確にナビをしてくれた。肝心のカーナビだが、『KAMAZ』というドイツのメーカーのもので、英語表示。同じルートを示してはいたのだが、バンコク近郊を走っている時から突然電源が落ちてしまう症状が頻発し、使用を断念。もしお持ちなら、日本からガーミン等の世界対応のカーナビを持っていき、東南アジア地図を入れていくのがいいかもしれない。ちなみに、Googleマップは素晴らしかったのだが、行程の中ではスマホの電源がもたないのでご注意を。幸いCR-VにはコンソールにUSB端子があり、電源を供給しながらナビを続けることができた。
道路標識について言えば、やはりメインはタイ語表記で、英語表記がかなり小さい(ないところもある)ので苦労はした。ただ、そもそも地名が頭に入っていなかった上に、『Buriram』という表示はかなりブリーラムに近づかなければ見られなかった。やはりナビをメインに行くのが賢明だろう。
●交通量の少ないところではクルーズコントロール大活躍
路面については、日本を基準に見てしまうとやはり悪い。大型のトラックが通るせいか穴がよく開いており、洗濯板のようになっている部分もある。また、幹線道路の1号線〜2号線については3車線で100km/hほどで走るのだが、この道路は出入り自由(随所に商店が並んでいるところがある)な上に、追越車線の右側にUターンレーンがあるのが非常に恐ろしかった。100km/hで走っていて、しばしば目の前にUターン車両が出てくるのだ。交通量も多くアップダウンもあり、坂道で大幅に減速するトラックも多数。トリッキーな動きをするクルマも多く、かなり運転し慣れている人でなければ、レンタカーでの移動はできれば避けた方がいいかもしれない。
途中、幹線道路24号線はかなり真っ直ぐで、ここではCR-Vについていたクルーズコントロールにかなり助けられた。これがなければ1回休憩では着かなかったかもしれない。休憩について言えば、幹線道路にはサービスエリアは途中1カ所しか見かけなかったが、ガソリンスタンドがSA代わりになっており、コンビニ(バンコクにはファミリーマートもあったが、今回使ったpttについているのはセブンイレブン)で飲み物を買ったり、軽食をとることができる。
24号線を抜け218号線に入る手前で、ブリーラム県に入る。ブリーラム・ユナイテッドやサーキットの看板が出てきて、ちょっと安心する。218号線はすぐに片側1車線になるので、トラック等は慎重に追い越さなければならない(往路、トラックに追い抜かれたのには驚いた)。この道では左右に牛が多数いる。飛び出して(?)こないかがかなり心配にはなった。
ガソリンはレギュラーなら『91』を入れてもらうが、車種によってはいろいろ異なる様子。基本的にスタンドは有人で、窓を拭いてくれたりもする。現金でも払えるし、クレジットカードもある程度は対応しているようだ。
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