9月19日に決勝レースが予定されているIRLブリヂストン・インディジャパン300マイルに、クリック証券・コンクエスト・レーシングから出場する松浦孝亮がオートスポーツweb編集部を訪問。松浦にインディジャパンを戦うにあたっての心境を聞いた。
Q:インディカーに乗ること自体が久しぶりだと思いますが、慣れや感覚の面で不安はありますか?
松浦:2007年の最終戦が9月だったので、ちょうど2年ぶりですね。不安はいっぱいありますよ。今までは3デイイベントでやっていたんですが、今年は2デイじゃないですか。そうなると、金曜の朝にちょこちょこと走って予選やって、もう決勝にいかなきゃいけない。準備しなければいけないこともいっぱいありますし……。何より、体がついていくかが心配ですね。オーバルってずっと左回りなので、血が寄ってしまうんです。レギュラーで乗っていた時も、開幕前のオープンテストの時とか血が寄ってしまって、マシンから降りた後、頭痛がしたりしていたんです。そっちの方が心配ですね。
Q:2007年のインディジャパンのこと(スタート直後の1コーナーでクラッシュ)は心の中で引っかかっていますか?
松浦:それもあるので、余計に出たかったというのはありますね。ああいう終わり方だったので、自分の中でリベンジしたいというのもありました。去年は、07年の最終戦が終わってからインディジャパンが半年しか経っていなかったのでそれほどでもなかったんですが、GAORAの解説をしていたりして、やっぱり出てみたいな……と思いましたね。でも、そう思ってもなかなか出られるものではないので、こういうご時世に応援してくださるクリック証券さんには本当に感謝しています。
Q:テレビで解説をしていて気付いたことはありますか?
松浦:やっぱり、テレビで自分が一緒に走っていた連中がレースをしているのを見ていると、解説をしているのが「違うな」と思いましたね。もてぎはずっと出たかったですし、海外でレースを戦うシリーズで、日本でレースがあるのはF1とインディカーくらいしかないじゃないですか。F1はなかなか出られないですけど、インディだったら、僕の場合ライセンスも紙を1枚書くだけで取れて、シートもあるし、すぐにレースに出られる環境にある。そういう環境にいるのは僕とロジャー(安川)さんくらいだし、その環境を活かせないのはもったいない。例えば、今日本で戦っているドライバーがインディジャパンに出たい、と思ってもかなりいろいろなことをやらなくちゃいけない。でも、僕はすぐに出られる。そう言う意味でも、もてぎとインディ500はできる限り出たいと思いますね。
Q:今回のインディジャパンで、来年に向けたきっかけを作りたいというようなことはありますか?
松浦:もちろん、今回だけで終わってしまったらまったく意味がないです。これを踏み台にして、インディ500、インディジャパンに出て行きたいですね。もちろん、フルタイムで出るに越したことはないんですけど、そうなるとかなり難しくなると思うので……。
Q:先日の日曜日、土屋圭市さんのラジオ(J-WAVE/BRIDGESTONE AUTOMOBILE RADIO)に出演されていましたよね。その時に2年前のインディジャパンの話をされていましたが、今は笑って話せる感じですか?
松浦:もちろん。あの直後は、1ヶ月くらいアウトでしたけどね(笑)。
Q:ラジオでは、日本人最上位だったら土屋さんが焼肉をおごってくれるという話でしたが。
松浦:もちろんですよ。毎日電話します(笑)。
Q:今年の目標は?
松浦:完走はもちろんですが、トップ8でフィニッシュしたいですね。トップ5だと、今はチップ・ガナッシとペンスキーがものすごく強いので、その後の1台に入るのはすごく難しいと思います。僕のもてぎでのベストリザルトが8位なので、そこには行きたいと思っています。
Q:この後の予定は?
松浦:来週もう一度アメリカに行きます。そこでちゃんとシート合わせをして、できればシカゴでテストをしたいと思っています。でも、特にシカゴのトラックはすごくカンタンなので、単独でインディカーをテストしてもあんまり意味がないんですよね(笑)。でもテストができるのとできないのでは大違いですからね。クルマに慣れるという意味と、自分のフィジカルの部分、ペダルを合わせたりということをすると思います。出る限りはいろいろな人の期待を背負っていますので、できる限り準備はしたいです。
Q:最後にファンの皆さんにメッセージを。
松浦:2年ぶりにインディカーに復帰するんですが、2年半前のリベンジというか、自分の中での悔しい思いをファンの皆さんの前でみせたいと思います。今回、いろいろな方々の応援で出られることになり、ぶっつけのような形になってしまいますが、自分の4年間の経験を生かせれば間違いなくいいところにいけると思いますし、トップ8フィニッシュできるよう、最後まで走って盛り上げたいと思います。
