インディジャパンの決勝をちょうど2週間後に控えた5日、Honda ウエルカムプラザ青山で「2009 INDY JAPAN 武藤英紀選手壮行会」が行われ、ファンとの交流を楽しみつつ、来るインディジャパンに向けて意気込みを語った。
チームメイトに関するトークでは、ダニカ・パトリックに「ボディタッチが多いんですが、男としてみられていないんでしょうね」など面白発言も飛び出し、観客だけでなく、武藤本人もリラックした壮行会となった。
7月以来の帰国だという武藤英紀は、朝早くから集まったファンの「おかえり〜!」のかけ声で入場。「ただいま」と答え、早速場内を沸かせた。壮行会はトークショー、クイズ大会、プレゼント抽選会、フォトセッション、握手会と超豪華な構成で行われた。
冒頭のトークショーでは、普段なかなか聞くことのできないさまざまな話題で盛り上がりをみせた。今シーズンは昨年と比べエンジニアとのやり取りがうまくいくようになってきたという武藤。
ケンタッキーから導入されたプッシュ・トゥ・パスボタンについては「コーナーの脱出前に押しておいて、あとは2、3、4、5、6と200回転ずつ伸びるのでその分スピードが上がります。オーバルの場合はスタートやリスタート、ピットストップのあとのアウトラップでトップスピードまで上げる時に使いますね」と解説。
昨年に続き表彰台に立ったアイオワは「去年は2位、今年は3位でしたが、今年は作戦に頼らない、トップと同じ作戦での3位だったので自信につながった」と振り返った。また次のリッチモンドは「トップになれたレース。エリオ(カストロネベス)がクラッシュしてしまったので……。ベテランと聞いていたんですけどね」と場内を笑わせつつ、悔しさをにじませた。
トークショーはチームメイトの話題についても展開。
トニー・カナーンは「いつもチームをまとめようとしてくれて、面倒見がいい。ボディーガードがいるんですが、その人より首が太いんですよ!」。
ダニカ・パトリックは「今年に入ってだいぶ打ち解けました。ミーティングにいつもシャワーの後髪が濡れたまま来て、シャンプーの匂いがします(笑)。ボディタッチが多いんですが、男としてみられていないんでしょうね」。
マルコ・アンドレッティは「完全なおぼっちゃん。『明日サーキットから空港まで渋滞するな、よし、空港までヘリ出そう!』みたいな(笑)。でもレースに関してはすごくマジメで、いつもセットアップはどうするか、などと考えています」とそれぞれコメントした。
そしていよいよ話題はインディジャパンへ。「(開催が4月だった)昨年はまだ3戦目で、走ること自体以外に覚えなくてはいけないことがたくさんあり、緊張していました。セッティングについてもまだ判断に迷う部分がありましたが、今年はそういう不安がないし落ち着いて走りに集中できる。セッティングも30周を過ぎたタイヤの減りのフィーリングを見て、去年なら焦って変更していたところをあえて触らない、といったことができるようになった。先を読む力がついたことで余裕ができましたね」とのこと。
「アメリカではヒデキではなく『ハイデーキー』と言われてしまいますが、日本では武藤、と読んでもらえて、日本語で応援してもらえることは強みになりますね」という武藤、もてぎにはアイオワ、リッチモンドと同じベストのシャーシで臨むとのことで、日本人初の優勝にも期待がもてるかもしれない。
トークショーの次に始まったのはクイズ大会。ファンのなかから来場時に答えたクイズで成績上位だった3人が選ばれ、武藤と合わせて4人で行われた。インディカー・シリーズに関する「インディ500でホンダが初優勝したのは西暦何年?」などなかなかの難問もあった早押しクイズ、負けず嫌いの武藤はインディ通のファンに負けずに回答し見事トップに。
プレゼント抽選会では、チームのドライバーしか持っていないというシャツや、開幕戦で武藤が使用したグローブなど、超豪華なプレゼントが直筆サイン入りでファンにプレゼントされた。さらに握手会では訪れたファン全員と握手をかわした(ちなみに新型インフルエンザ予防のため、握手前には武藤含め全員が会場に用意されたアルコール消毒液を使用)。
2時間近くの壮行会、最後は武藤がファンの前でもてぎに向けての意気込みを語った。「今日は来てくれてありがとうございました。このご時世のなかレースができている僕は本当に恵まれているラッキーな人間だと思います。もう3位も2位もなったので、残るは優勝しかないと思っています。それがもてぎであると信じています。ファンの皆さんの応援が優勝を後押ししてくれると思っているので、皆さん応援してください。頑張ります! テーマはのびのびと、気負うことなく。自分のベストな走りができればいい結果につながると思います」
■9.19決勝! インディジャパン直前インタビューVol.1 [武藤英紀]
http://as-web.jp/special/indy_2009vol01.php
