日曜日のアルバートパーク、朝方は前夜に降っていた雲の一部がまだ残っていて涼しかったが、その雲もお昼には姿を消し、スタート2時間前の午後2時は快晴となっている。
しかし、そんななかレース前に撤収作業を始めているのが、土曜日の予選に参加できなかったマノー・マルシャだ。タイヤウォーマーに包まれたタイヤを1本ずつ取り外して、台車に乗せてピレリへ返すメカニックたちにかける言葉はなく、パドックの誰もが静かに見守ってた姿が印象的だった。
マノー・マルシャ・チーム首脳陣のひとりであるマーク・ヘインズは、「コンピュータのデータはパワーユニット側のフェラーリのデータだけでなく、車体を動かすマクラーレン・エレクトロニクスのデータも消失していたため、復旧まではしばらく時間がかかるだろう。次のマレーシアGPに間に合うかどうか……」と険しい顔をしていた。
それとほとんど同じタイミングで、ウイリアムズのガレージから出てきたのが、予選中に背中の痛みを訴え、予選後サーキット近郊にあるアルバート病院で検査を受けて、一夜を過ごしたボッタスだ。FIAスポークスマンによれば「ボッタス本人は大丈夫だと言っているが、FIAドクターの検査はこれからだ」という。ボッタスは問題なく歩行しており、すでにレーシングスーツに着替え、コクピット脱出テストの準備をしていた。
しかし、FIAのメディカルチェックにより、「オーストラリアGP出走には適さない状態」との判断が下り、ボッタスは2015年の開幕戦を欠場することが決定した。
なお、決勝日にサーキットを訪れる予定になっているホンダの伊東孝紳社長は、まだパドックに姿を見せていない。ある情報筋からは「前日の予選結果に落胆し、公の場に姿を見せないのではないか」と言われているが、決勝のゆくえとともに、どうなるか注目したい。