スーパーGT第6戦ポッカGTサマースペシャルでGT500クラスのポールポジションを獲得したARTA HSV-010。今回がデビュー戦となる小林崇志が見事アタックラップを決めることとなったが、実は本来、セッション3のアタッカーはラルフ・ファーマンの予定だったという。

 今回のノックダウン形式の予選では事前にセッション1〜3のアタッカーを申告するシステムになっており、ARTAでもS1〜S3までのドライバーを申告。ここで、「S3はラルフのアタックの予定だったが、アタックドライバーの申告に誤りがあり(ARTAプレスリリースより)」、チームはS1をファーマン、S2を井出、S3を小林で申告してしまった。

 チームはS2でこの誤りに気付き、急遽休んでいた小林にスタンバイを指示。「今日はノックダウンの予選を走る予定はありませんでしたが、直前になってS3のアタックを指示されました。特に準備もしていませんでしたし、時間が無い中で色々考えても無駄だと思い、何も考えずに走りました」という小林は、ポールポジションを賭けたS3で見事トップタイムを記録し、ポールポジション獲得のミッションを果たしてみせたのだった。

 小林にとっては、急なアタックで見事ポールを獲得し一躍日本のモータースポーツ界に名を轟かせることとなったが、まさに災い転じて……と言ったところ。鈴木亜久里監督も「マシンを壊さずに帰ってくればいいと思っていたら、トップタイムを出して戻ってきたので驚きました。嬉しい誤算だったね」と笑顔だった。

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