2014年F1第4戦中国GPは20日、上海インターナショナル・サーキットで56周の決勝レースが行われ、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウインで自身初の3連勝を飾った。ケータハムの小林可夢偉は最終ラップでジュール・ビアンキをオーバーテイク、ライバルのマルシャ2台を従え17位でフィニッシュした。
今年で開催11年目を迎えた中国GPは、グランドスタンドを多くファンが埋め尽くし、開催当初とは雰囲気も一変。F1がこの地に根付きつつあることを予感させるような盛り上がりを見せた。
前日の予選はウエットコンディションとなったが、日曜日のサーキット上空はどんよりと曇りがかっているものの、ドライコンディションでスタート時刻の15時を迎えた。
レースは、ポールシッターのハミルトンが好スタートを決めてホールショットを奪うと、序盤から後続のライバルたちを1周1秒近いペースで引き離していく。2番手には、スタートでダニエル・リカルドをパスしたセバスチャン・ベッテルが続き、フェルナンド・アロンソが3番手。フェリペ・マッサも素晴らしいダッシュでアロンソに並びかけたがフェラーリとタイヤ同士が接触して5番手。一方、4番手スタートのニコ・ロズベルグはウイリアムズのもう一台を駆るバルテッリ・ボッタスと接触するなど6番手までポジションを落としてしまった。
ハイペースで首位をひた走るハミルトンは、5周目あたりからグレイニングの症状に見舞われたライバルを尻目にさらにリードを広げていき、10周目には10秒の大量リードを築く。ハミルトンはその後もさらにギャップを広げ、上位勢で一番最後の17周目に最初のピットストップを敢行。一方、2番手にはピットタイミングでレッドブルを逆転したアロンソが浮上し、ベッテル、リカルド、そしてウイリアムズをオーバーテイクしたロズベルグが追い上げを開始してくる。
独走状態のハミルトンが20周を過ぎると、最初のピットでリカルドを交わしたロズベルグがベッテルをオーバーテイクし3番手に浮上。逆にポジションを落としたベッテルはチームメイトのリカルドにも捉えられ、無線でポジションを譲るように指示されてしまう。
26周目にベッテルが5番手に後退。オーダーはハミルトン、アロンソ、ロズベルグ、リカルドと変わるが、ピットアウト時に4秒弱だったハミルトンのリードは、33周目のアロンソのセカンドストップを前に再び15秒以上まで広がった。
その後、38周目に最後のタイヤ交換を終えたハミルトンは、終盤もレースを完全にコントロール。最後は、42周目にアロンソを易々とオーバーテイクした2番手ロズベルグを18秒後方に従え、自身初の3連勝となるトップチェッカー。今シーズン3勝目、通算25回目の優勝を手にした。
メルセデスも3戦連続で1-2フィニッシュを達成。3位には、アロンソのフェラーリが入り今季初表彰台を獲得。直前にチーム代表が交代するなど、不振が続いたマラネロにようやく明るい兆しを届けた。
リカルドは前戦に続いてベッテルの前でフィニッシュ。屈辱を受けた王者は5位に終わった。以下、ニコ・ヒュルケンベルグ、ボッタス、キミ・ライコネン、セルジオ・ペレス、ダニール・クビアトまでがポイントを獲得。序盤5番手につけていたマッサは最初のピットストップでリヤタイヤのナットがハマらないトラブルで最後尾へ後退。完走は果たしたものの、15位に終わった。
ケータハムの可夢偉は、最終ラップのバックストレートエンドでビアンキをオーバーテイク。ライバルのマルシャ2台を従えて17位でチェッカーを受けている。