September 2 2012, RACE
Baltimore Grand Prix
シモン・パジェノーが3位で今シーズン4度目の表彰台へ
佐藤琢磨は24番手スタートからトップに立つものの、燃圧トラブルで21位
2012年9月2日(日)・決勝
会場:ボルチモア市街地特設コース(全長2.04マイル)
天候:曇り
気温:28℃
首都ワシントンDCに近いメリーランド州最大の都市ボルチモア、この街でインディカー・レースが行われるのは昨年に続いて2度目です。チェサピーク湾沿いの歴史ある都市を舞台とするレースは今年も大盛況で、多くのファンを集め、賑やかに、そして華々しく開催されました。
雨の心配もある曇り空の状況下で、全長2.04マイルのコースを75周するレースのスタートは切られました。そして、レース序盤に雨が降り始めましたが、ここでレインタイヤへとスイッチしたチームが結果的には不利に追いやられ、ソフトタイヤで走り続けるリスクを取ったチームがアドバンテージを手に入れました。
しかし、レインタイヤに交換したドライバーの中からも優勝争いまでポジションを上げて来る選手がいました。9番手からスタートしたシモン・パジェノー(Schmidt Hamilton Motorsports)です。キレのある走りを見せて着実にポジションアップをしていったパジェノーは3位でフィニッシュし、表彰台に上りました。前戦の第13戦ソノマ終了時点で今シーズンのルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得がすでに決定しているパジェノーですが、ボルチモアで今シーズン4度目のトップ3圏内でのフィニッシュを達成したことで、ルーキーイヤーをシリーズランキングのトップ5で終えることさえ可能な状況となりました。
ポイントスタンディング4位で逆転タイトルを狙うスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は、フロントロー外側グリッドの2番手からスタート。ウエットタイヤへとスイッチする作戦で後退しながらも、しぶとく戦い続けて4位でゴールしました。
佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)は、予定外のエンジン交換によるグリッド降格のペナルティもあり、24番グリッドからのスタートでした。しかし、レース序盤の雨を見事に味方につけ、上位への進出を果たしました。濡れた路面で足をすくわれそうになりながらもソフトタイヤで走り続けてポジションを大きく上げていき、リスタートでのオーバーテイクを重ねて24周目にはトップに躍り出ました。
その後もハーフウエットの状態でレースは続き、ソフトタイヤで走り続けるのが困難になりつつありましたが、そこで雨は止みました。スピンしそうになるマシンを巧みにコントロールし続けた佐藤は、2番手を7秒以上も突き放しました。燃費セーブも成功させるとともに、フルコースコーションを利用したチームのピットタイミングの選択も絶妙で、35周目までトップをキープし、24番手スタートから優勝争いを繰り広げました。しかし、レース中盤のリスタートで燃圧系にトラブルが発生、50周でリタイアという悔しい結果となりました。
コメント
シモン・パジェノー(3位)
「ピットストップでライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport)に抜かれてしまったのが悔しいです。最後のリスタートではタイヤかすを拾い過ぎていて、ペースを上げることができませんでした。それでも3位でフィニッシュすることができました。今日のリスタートで何台ものマシンをパスできたのは、私のスポーツカーでの経験を生かした走り方によるものでした。グリーンフラッグが出されるタイミングを計り、ベストのタイミングでプッシュ・トゥ・パス・ボタンを押しました。3位はハッピーなリザルトですが、私たちは初勝利を目指し続けています。今日のように、ときとしてうまくいかないこともあります。しかし、まだ私はチームとともにインディカーでの1年目を戦っているところなのです。来シーズンの私たちは、ライバルたちにとってもっと手強い存在になると思います」
佐藤琢磨(21位)
「後方グリッドからのスタートでは、シケインを1台ずつ通過してグリーンフラッグを受けるため、オーバーテイクのチャンスはありませんでした。スタートから数周でリズムをつかみましたが、前を行くマシンをパスするのは難しい状況でした。しかし、そこで天候という要素が味方になってくれました。雨が降り出したときには笑顔がこぼれていました。それにしても、今日の天気は不思議なものでした。メインストレートは結構なウエットコンディションになっていたのに、バックストレートはドライでした。ドライビングを続けるのは難しいコンディションで、多くのチームがレインタイヤへとスイッチしました。そこで私たちはドライタイヤで走り続けることにしました。この判断によって私は一気に5位まで大きく順位アップを果たしました。リスタートで前を行くドライバーたちをパスし、トップに立ちました。そこからは余裕を持ってリードを広げていくことさえできていました。しかし、そのあとに問題が発生しました。燃圧が下がってしまったのだと思います。エンジンが咳き込み始め、パワーが落ちたことを感じました。特にリスタートではパワーが全く感じられず、多くのマシンにパスされてしまいました。その後、ギアセレクトも難しくなって、マシンを止めざるを得なくなりました。本当に残念なことでした。エンジン交換を2回も行うハードワークをクルーたちはこなしてくれました。彼らはすばらしい仕事をし、競争力の高さをレースで見せました。このようなチームの力を私は誇りに思います。それだけに、今日のレースでよい結果を手にできなかったことが悔しくて仕方ありません」
ロジャー・グリフィス|HPDテクニカル・ディレクター
「シモン・パジェノーとSchmidt Hamilton Motorsportsがすばらしい戦いぶりを見せてくれました。ルーキーながらシモンはこれで4度目の表彰台です。ピットストップでライアン・ハンターレイに前に出られていなかったら、初勝利を達成することができていたかもしれません。しかし、終盤にあと一歩ペースが上がりませんでした。その理由はまだ彼自身からは聞いていませんが、それにしてもリスタートでの大きなポジションアップなど、彼の見せたレースは本当にエキサイティングなものでした。残すは最終戦のフォンタナだけとなりました。全長2.0マイルのスーパー・スピードウェイを使って行われる500マイルのレースでは、パワーが重要です。私たちHondaはフォンタナでパワーを見せつけ、Hondaこそがインディカー・シリーズでの最強のエンジンであることを証明したいと思います。最終戦で勝利し、その勢いを保ってシーズンオフを迎え、来シーズンの戦いに備えたいです」
