June 15 2013, RACE
Milwaukee IndyFest

スコット・ディクソンが6位フィニッシュ
佐藤琢磨は15番手スタートから今季4度目のトップ10フィニッシュとなる7位

2013年6月15日(土)・決勝
会場:ザ・ミルウォーキー・マイル
天候:晴れ
気温:23~24℃

“伝説のオーバル"というニックネームとともに、インディカーファンに長年親しまれてきているザ・ミルウォーキー・マイルで、2013年インディカー・シリーズ第9戦の決勝が開催されました。

 ドライビングもマシンセッティングも難しい、テクニカルなオーバルコースがザ・ミルウォーキー・マイルの特徴です。その名の示す通り、全長は1マイルと短いですが、激しいバトルが繰り広げられることで知られています。バンクの傾斜が6度と小さいコースでは、1ラップの中でコーナリングをしている時間が長く、勝つためにはハンドリングのいいマシンが必要です。

 決勝日の朝方に雨が降ったミルウォーキーでは、正午を過ぎてから太陽が顔を出し、レースは午後3時過ぎに予定通りスタートが切られ、蒸し暑さを感じるコンディションでレースは行われました。

 グリーンフラッグを受けて24台のマシンがバトルを開始すると、15番手スタートの佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)のマシンはとてもいい仕上がりになっており、序盤から上位をうかがいます。21周目のアクシデントで出されたフルコースコーション中にピットストップを行う作戦も味方し、佐藤は69周目に早くもトップに立ちました。リズムよく、燃費もよく走り続けた佐藤は、優勝に向けてリードを広げました。

 ところが、250周のレースが170周を迎えた辺りから、佐藤のマシンはハンドリングが変化し、109ラップにわたってトップを走りましたが、201周目にタイヤ交換とフロントウイングのセッティング変更を行いました。そして、そのすぐあとにアクシデントが発生したことで、フルコースコーションとなりました。

 タイミングの悪いアクシデントによって佐藤は周回遅れに陥りましたが、213周目にトップグループが全員ピットした際にコース上に残り、リードラップへの復帰を果たしました。最後のリスタートからのゴールまでの30周、周囲を走るライバル勢よりもタイヤを長く使っている状況にあった佐藤は、ポジションをキープすることすら難しい状況でしたが、全力で走りきり、7位でゴールしました。

 また、11番グリッドからスタートしたスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)が6位フィニッシュを果たし、佐藤のすぐ後方の8位でダリオ・フランキッティ(Chip Ganassi Racing)がゴール。ジャスティン・ウィルソン(Dale Coyne Racing)が9位と、Hondaドライバー4人がトップ10でフィニッシュしました。

 佐藤は今季4度目のトップ10フィニッシュを記録してポイントを223点へと伸ばし、シリーズランキングを5位から4位へと1つ上げました。ディクソンは今季5度目のトップ10フィニッシュによりポイントは221点となり、ランキング5位につけています。

コメント
スコット・ディクソン(6位)
「私たちはシーズン開幕の時点で後れを取っており、そこから抜け出す戦いを展開しています。今の私たちは、マシンのセッティング変更に対して自信を失っていますね。それでも今後もハードワークを続け、競争力を取り戻してみせます。今日はいいレースを戦えていましたが、さまざまな理由から順位は上下を繰り返していました。マシンはコーナーの真ん中でアンダーステア、出口で急激にインを向く難しいハンドリングになっていました。しかし、レースの結果よりもマシンは仕上がっていたと思います」

佐藤琢磨(7位)
「本当にエキサイティングなレースでした。ピットストップで毎回セッティングを調整し、着実にポジションを上げていきました。マシンはどんどん向上し、レースの折り返し点を迎えるまでには最高のハンドリングとなっていたほどでした。ドライビングを存分に楽しんでいました。先頭を走っても、トラフィックの中に入ってもマシンは力強く、レースの中盤戦でのマシンのバランスのよさには本当に満足していました。ところが、レースの終盤に入ってマシンのリアが突然グリップを失いました。コースのアウト側に大きくラインを外れ、ポジションを落としました。マシンになにかトラブルが出ていると考え、早めのピットストップを行って新しいタイヤを装着し、追い上げる作戦に出ました。勝てる自信はありました。しかし、タイミングの悪いフルコースコーションが出され、まだピットストップを行っていないライバルたちの後ろの7番手に下がってしまいました。その上、最後のリスタートのあとは、私を除く全員がフレッシュタイヤを装着しており、彼らを抜き返すのは至難の業でした。ピットクルーはレースを通してすばらしい仕事をしてくれていました。今日また、A.J.(アンソニー・ジョセフ・フォイト)に笑顔を届けることができると思いましたが、あと少しのところでしたね。チームはすばらしいレースを戦っていましたが、結果は残念なものになりました。とても悔しいです」

ロジャー・グリフィス|HPD テクニカル・ディレクター
「佐藤琢磨が本当に力強いレースを戦っていました。彼はロードコースだけでなく、オーバルでも速いことを今日改めて知らしめたと思います。トップを堂々と走り続けていた佐藤でしたが、バックマーカーが進路をふさがれ、危うくアクシデントを起こす事態になりました。そこで、早めのピットストップを行う作戦を採用しましたが、その直後にフルコースコーションが出る不運に見舞われました。結果は7位となりましたが、とても力強い戦いぶりだったと思います。Honda勢のトップが6位という点は非常に悔しい結果です。スコット・ディクソンとダリオ・フランキッティは、今回もマシンを思い通りに仕上げることができていませんでしたが、レース巧者ぶりを発揮して6位と8位でゴールしました。佐藤はトップを走り、ライバルたちを6秒以上も突き放すハイペースを保っていました。わずかではありますが、私たちのエンジンは燃費での優位もみせることができていたと思います。しかし、私たちが目指しているのは優勝です。次戦アイオワも勝利を目標に全力で戦います」

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