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投稿日: 2015.05.13 00:00
更新日: 2018.02.23 16:34

琢磨「ようやくまともにレースを完走できた」


ピンチはチャンス
第5戦インディ・グランプリ

 ベライゾン・インディカー・シリーズ第5戦インディ・グランプリの予選で不本意な22位となったとき、佐藤琢磨は決勝レースにもこの不運が持ち越されるだろうと思わずにはいられなかった。けれども、今回は違った。それどころか、琢磨は幸運にも恵まれて今シーズン初のトップ10フィニッシュを果たし、AJフォイト・レーシング・ダラーラ・ホンダを9位入賞に導いたのである。

「とてもいいレースでした」と琢磨。「最終的な結果よりもずっといい内容だったので、とてもハッピーです」

 もっとも、琢磨とAJフォイト・レーシングは週末の走り出しから好調で、プラクティス1とプラクティス2ではグレアム・レイホールとホンダ陣営のNo.1を競い合っていた。
「インディ・グランプリ・コースにやってきたとき、僕たちはとてもいい状態でした。プラクティス1とプラクティス2では総合のトップ10に入るほど好調だったので、とても勇気づけられました。そうは言いつつも、エアロキットの考え方については、ふたつのメーカーの間に大きな違いがあるようです。このコースは、僕がF1を戦っている頃からそうでしたが、ハイダウンフォースにしてもローダウンフォースにしてもラップタイムにほとんど変化はありません。そしてシボレー勢はトップスピードが速く、ホンダ勢はブレーキングやコーナリングで強みを発揮していました。僕自身はマシーンのフィーリングやバランスに好感触を得ていましたが、異なるセッティングで臨んだプラクティス3ではあまりいい結果が得られなかったので、予選に向けては完全には確認がとれていないセッティングで挑むことになりました」

 琢磨を取り巻く巡り合わせは、ここから次第に悪くなっていく。アタック中にジャスティン・ウィルソンに引っかかり、予選グループで11番手となったのだ。しかも、タイアは実質的に1周しかもたなかったので、琢磨は大きな代償を支払わされることになる。

「今回はタイアのウォームアップがとても速く、硬めのブラックタイアを履いていてもすぐにグリップが得られるようになりました。だから、レッドタイアの寿命はたったの1ラップしかありませんでした。ジャスティンはコンペティティブなドライバーですが、今シーズンはこれが初レースです。ピットから出てきたばかりの彼に引っかかったのは、ターン7に向かう長い裏ストレートで、彼には僕に気づく時間が十分にあったし、ふたつの選択肢が残されていました。ひとつは、すぐに避けること。もうひとつはコーナーを曲がった後で避けることです。ところが、彼はレーシングラインに留まったままで、僕はギリギリのところで避ける格好になったため、ダメージはとても大きくなりました」

「彼がブロックしたかどうかは審議の対象となりましたが、1周前のラップタイムと比較することができなかったので僕がどの程度のタイムをロスしたのかもわからないという理由で、ジャスティンには何のペナルティも課せられませんでした。この判断には強い不満を持っています。僕は続けて2回目のアタックを行いましたが、タイアのグリップは失われており、思うように走れません。これにはとても落胆しました。たしかに、僕らには上位陣と並ぶほどのスピードはありませんでしたが、恐らく予選の第2セグメントには進めたでしょう。いちばん速いホンダ・ドライバーは11番手だったので、僕の順位である22番手とはだいぶ差があります」


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