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投稿日: 2011.09.04 00:00
更新日: 2018.02.23 12:37

琢磨「ダウンシフトで問題が起き、ストールした」


September 3 2011, QUALIFYING
IZOD IndyCar Series Baltimore Grand Prix

2011年9月3日(土)
予選
会場:ボルチモア市街地コース
天候:晴れ
気温:26~27℃

ウィル・パワーが今季7度目のポールポジションを獲得
佐藤琢磨はスピンでイエローを出した影響で、最後尾28番手から決勝へ

 IZODインディカー・シリーズが今年からスケジュールに加えた第2のレース「ボルチモア・グランプリ」は、アメリカ建国時の13州の1つであるメリーランド最大の都市、ボルチモアでのイベントです。首都ワシントンDCの北東約40マイルに位置するボルチモアは、大西洋から大きく入り込んだ湾の奥という立地を生かして発展、現在でも全米トップ20に入る規模を誇る大都市であり続けています。

 歴史ある街の人々がインディカー・レースを大歓迎していることは、走行初日の金曜日から大勢のファンが詰めかけたことでも明らかでした。メジャー・リーグの「ボルチモア・オリオールズ」のスタジアム周辺を使ったコースには、週末の土曜日になってさらに多くのファンが詰めかけ、インディカーの予選を堪能しました。フレッシュな顔ぶれも交えたトップ6が選ばれ、10分間のファイナル・ステージは激しく争われました。

 ポールポジションを獲得したのは、前レースに引き続き、またもウィル・パワー(Team Penske)でした。しかし、今回の予選で彼の前に立ちふさがったのは、チャンピオン争いの相手であるダリオ・フランキッティ(Chip Ganassi Racing)ではなく、若手のグラハム・レイホール(Chip Ganassi Racing)でした。パワーはセッション終盤に勝負をかけて連続アタックを敢行、その最終ラップで1分20秒2447をマーク。レイホールをわずかに0.0791秒上回り、今シーズン7度目のポールポジション獲得を果たしました。このポールは彼にとって、インディカー・キャリアでの23回目となりました。

 ボルチモアの予選では、ファイナルに進むと考えられていた中からスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)とエリオ・カストロネベス(Team Penske)が第2セグメントでの敗退を喫し、彼らの代わりにトップ6入りしたのがレイホール、セバスチャン・ブルデー(Dale Coyne Racing)、ライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport)といった選手たちでした。

 レイホールは惜しくもポールポジションを逃しましたが、今季ベストとなる2番グリッドを獲得しました。3番手はライアン・ブリスコー(Team Penske)でした。

 ポイント・リーダーのフランキッティは、2レース続けて4番手と、苦しいグリッドからスタートを切ることになりました。パワーはチャンピオンシップ・ポイントで、フランキッティとの差を2戦続けて縮めており、明日のレースもポールポジションからスタート。シーズンが終盤戦に突入したところでランキング1、2位が逆転する可能性が見えてきました。

 佐藤琢磨(KV Racing Technology-Lotus)は、予選の第1セグメント、第2グループに出走し、3番手に入るタイムを出したのですが、その後にスピンを犯してフルコースコーションを出してしまったため、ルールによりセッション中のベスト2ラップがカウントされなくなり、最後尾の28番グリッドから明日のレースを戦うこととなりました。マシンの仕上がりを向上させ、第2セグメント進出は確実だったのですが、ヘアピンへのブレーキングでギアが抜けた状態となり、マシンはトラクションを失ってスピンに陥ったのでした。

コメント
ウィル・パワー(ポールポジション)
「最終ラップが僕の持っているすべてでした。ポールポジションは明日のレースでアドバンテージになると思います。私は、だれかを抜く心配をしなくていいのですから。ここはストリートコースなので、多くのフルコースコーションが出る可能性もあります。だからレースでは、できる限り多くのラップをリードして、ポイント差を少しでも縮められるよう全力を尽くします。今日も私たちはポール獲得で1点を加算できました。私たちはポイント差を着々と縮めていかなくてはならないのです」

グラハム・レイホール(2番手)
「いいタイムを出せていました。しかし、チームからの無線で、ウィル・パワーが逆転するかもしれないと知らされたので、スピードを落としてタイヤを少し冷やすようにしました。そして、その次のラップにもう一度アタックをしようと考えたのです。そのラップでシケイン通過が今ひとつだったことから、タイムを少しロスしてしまいました。ポールポジションは惜しくも逃しましたが、今週の我々は、チームとしてうまく機能していると感じています。そして、ボルチモアのストリートコースはすばらしいものになっていると思います」

ライアン・ブリスコー(3番手)
「昨日のプラクティスでは、アクシデントを起こしてしまいました。それを考えれば、今日の予選で力強い戦いを見せられたことはうれしいですね。今日の私は、自らに自信を取り戻すことを目標に定め、すべてのコーナーに、より深く飛び込んでいくよう心がけていました。マシンのハンドリングも今日は非常によかったです。昨日のアクシデントの後、私はチームメート2人のセッティング・データを参考にさせてもらいました。彼らはとても速く、乗り易いマシンになっていると話していたからです。強豪の中にもファイナル進出を失敗するところがある中、私たちはファイアストン・ファスト6で戦うことができました。これはうれしいことでした」

佐藤琢磨(28番手)
「予選にはとてもいいフィーリングで臨むことができました。数周をトラフィックの中で過ごした後、第1セグメントを通過するに十分なラップタイムをマークしました。ところが悔しいことに、その次のラップはもっと速かったはずだというのに、ブレーキングでのダウンシフトで問題が発生し、駆動力がつながらなくなって、エンジンをストールさせてしまったんです。それがフルコース・コーションを招き、私は最速2ラップをはく奪されることになりました。イエローが解けてから再び走り、そこでも第1セグメントをクリアできるラップタイムを記録したのですが、そのラップも自分にとってはセッション内で2番目に速いものとして剥奪されることとなりました。予選の結果には非常にガッカリしています。しかし、明日のレースでは全力を出しきって戦います」

ロジャー・グリフィス | HPD テクニカル・ディレクター
「すばらしい予選でした。トップ6による戦いとしては、これまでのベストの1つに数えられるものだったと思います。ウィル・パワーのポールポジションは、計測終了のギリギリ前に決まりました。それまではグラハム・レイホールが今年初のポールを獲得するかと思われていました。セバスチャン・ブルデーがDale Coyne Racingのマシンをファイナル・ステージに進出させたのも見事でした。Team PenskeとChip Ganassi Racingだけではなく、Andretti Autosportも速く、KV Racing Technology-Lotusも佐藤琢磨が予選第1セグメントで速さを見せていました。明日のレースも、だれが勝つか予測のつかない、激しい戦いになりますね。雨が降る可能性もあり、そうなった場合には、さらにだれが勝つかが分からなくなるでしょう。チャンピオン争いの行方を含め、明日のレースは非常に楽しみです」


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