April 7 2013, RACE
Honda Indy Grand Prix of Alabama
スコット・ディクソンが4番手スタートから2位表彰台
佐藤琢磨はトラブルで後退したものの、激しく追い上げて14位フィニッシュ
2013年4月7日(日)・決勝 会場:バーバー・モータースポーツパーク
天候:快晴 気温:24~25℃
アラバマ州バーミンガム郊外にあるバーバー・モータースポーツパークで開催されるHondaインディ・グランプリ・オブ・アラバマは、4回目を迎えた今年も大盛況でした。晴天にも恵まれて多くのファンが集まったレースでは、Hondaエンジン搭載ダラーラで走るスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)が、4番手スタートから2つポジションを上げて2位フィニッシュし、今シーズン初の表彰台に上がりました。Hondaドライバーたちはチームの作戦にも後押しされてハードなレースを戦い抜き、6人がトップ10でフィニッシュしました。
予選に続いてバーミンガムには朝から快晴が広がり、午後2時40分、26台のインディカーは大歓声を浴びながらスタートを切りました。全長2.38マイル、17のコーナーを持つコースを90周するレースは、フルコースコーションが序盤の4周だけで、ハイスピードで白熱した戦いのままゴールまで一気に突き進みました。
大半のドライバーがピットストップを3度行う作戦でしたが、ソフトとハードの2種類あるタイヤを、それぞれレースのどのタイミングで使用するかはチームの選ぶ作戦によります。ディクソンは予選で少し使ったソフトタイヤを装着してスタートし、3度目のピットストップからゴールまでを新品のソフトタイヤで戦いました。この作戦が功を奏し、彼はレース終盤にハードタイヤで先行するライバル1台をパスし、さらにペースを上げてトップを走るライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport)にも迫りました。相手も同じ新品のソフトタイヤを使用していたためにオーバーテイクはなりませんでしたが、ディクソンは0.6363秒差の2位でフィニッシュし、開幕戦の5位に続いて2戦連続のトップ5フィニッシュを達成してシリーズポイント2位につけています。
予選5番手だったチャーリー・キンボール(Chip Ganassi Racing)は、レースでも速さを保ち続け、予選より順位を1つ上げて4位でゴールしました。また、昨年度のルーキー・オブ・ザ・イヤーのシモン・パジェノー(Schmidt Hamilton Motorsports)が、予選13番手から6位まで大きくポジションをアップしてフィニッシュ。また、ジャスティン・ウィルソン(Dale Coyne Racing)は、ベテランらしさを発揮して2戦連続トップ10入りとなる8位を手に入れ、ジョセフ・ニューガーデン(Sarah Fisher Hartman Racing)は、予選22番手から大きくジャンプアップする9位でレースを終えました。そして、ルーキーながら予選3番手となったトリスタン・ボーティエ(Schmidt Peterson Motorsports)は、10位でインディカー初完走を達成しました。
佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は予選12番手からスタートし、序盤にポジションを3つ上げました。決勝用のマシンはとてもいい仕上がりで、速いペースを保ってレース前半を戦っていました。ところが、2度目のピットストップでギアボックスにトラブルが発生し、エンジンをストールさせて23番手まで大きく後退。それでもハイペースの走りを続けて順位をばん回し、14位でゴールして開幕から2戦連続の完走を果たしました。
■コメント
スコット・ディクソン(2位)
「今日は追い上げる日でした。スタート直後にウィル・パワーと一緒に大きなファンブルを犯し、4番手スタートだったのに6、7番手までポジションを下げました。その上、序盤に装着したハードタイヤ4本が、なぜかミスマッチになっていたようで、大きなアンダーステアに悩まされました。おかげで最初のピットストップを行う時点までにトップに8秒もの後れを取りました。中盤以降も私のマシンはとても速かったのですが、ピットでチームメートの後ろに引っかかるトラブルがありました。なんとか彼をパスしましたが、結局最後まで追いかけるレースを戦い続けるしかありませんでした。それでも、マシンが優勝できるだけの速さを持っていたことで、今後のレースに向けて大きな自信を得ることができています」
佐藤琢磨(14位)
「レース結果は残念なものとなりましたが、私たちは激しいレースで、いい戦いをゴールまで続けることができたと思います。ピットストップで問題が発生し、ポジションを大きく落としましたが、そこから私たちはばん回し、最後のピットストップは見事なものになっていました。クルーたちはいい仕事をしてくれました。まだいくつかの課題が残されていますから、それらを次のロングビーチまでに解決したいと思います。そして、今日見せたスピードを次のレースでも発揮できることを楽しみにしています」
アート・セントシアー(HPD社長)
「セント・ピーターズバーグで私たち全員が落胆を味わったあとだけに、今日のレースでHondaエンジンを使うマシンがトップグループで戦う姿を見られるのはとてもすばらしいことでした。スコット・ディクソンはレース終盤に最も速いマシンを有していましたが、勝利に手を届かせるにはあと数周が必要でしたね。それでも、彼がライアン・ハンターレイに対して見せ続けたアタックには大きな感銘を受けました。チャーリー・キンボールも見事な走りを実現していました。そして、ジョセフ・ニューガーデンが22番手の後方からトップ10まで駆け上がったのも喜ばしいことでした。アラバマ工場の従業員を含めた大勢のHondaサポーターを観客席に見ることもできました。勝利に向けた意識をより強く持ち、私たちは次のレースが行われるロングビーチへと向かいます」