F1第10戦イギリスGPの予選は、レッドブルのセバスチャン・ベッテルがトップタイムをマークして今季5回目のPPを決めた。2番手はマーク・ウエーバーでレッドブルが決勝のフロントロウを独占、3番手にはフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が入った。BMWザウバーの小林可夢偉は12番手、HRTの山本左近は24番手だった。
直前のフリー走行3回目に引き続き予選の天候も快晴でサーキットには強い日差しも照りつけた。予選開始時刻の午後1時(現時時間)時点の気温は24度、路面温度は33度というコンディションとなった。
Q1
注目のQ1は20分。セッションは前半の10分を終えたところでレッドブルのウエーバーがトップに立ち、チームメイトのベッテルが2番手につける。しかしその直後にルイス・ハミルトン(マクラーレン)が2番手タイムをマークすると、さらにはスーティルがハミルトンを上回り、今度はベッテルが一気にトップ浮上を果たす。アロンソもその後3番手タイムをマークし、これで序盤のトップ3はベッテル、ウエーバー、アロンソとなった。
Q1も残り5分を切ると、レッドブル2台とアロンソ、ハミルトン、そして6番手につけるウイリアムズのルーベンス・バリチェロを除く19台が再度アタックに向かう。ここでは終盤まで15番手につけていたバトンが残り1分というところでようやく下位から抜け出し、8番手までポジションをアップ。ザウバー勢も9番手と好調なペドロ・デ・ラ・ロサとともに可夢偉も13番手でQ2へと進出した。一方、もうひとりの日本人ドライバーであるHRTの左近は24番手に終わり、残念ながらQ1で脱落してしまった。
Q2
セッションが始まるとフェラーリの2台が早々とアタックをかけるが、アロンソがQ1同様硬い方のハードタイヤを装着する一方で、もう一台のフェラーリを駆るフェリペ・マッサはオプションのソフトタイヤでアタックを行う。マクラーレンは2台ともオプション、レッドブルはウエーバーがオプションで、ベッテルがプライムタイヤで走行を行い、1回目の走行ではウエーバー、ベッテル、アロンソ、マッサというトップ4となる。
セッションが残り5分を切ってからはベッテルもソフトタイヤを履いてアタックを開始する。しかしここでのトップは全セクターを最速タイムでまとめたウエーバーで、ベッテルは2番手。アロンソ、マッサのフェラーリ勢がQ1に続き3、4番手につける。
一方Q3進出をかけたトップ10争いでは、不調を囲うマクラーレンのバトンがラストアタックでもひとつしかポジションを上げられず14番手で脱落する波乱が起きる。逆にバリチェロが8番手につけ、ザウバーのデ・ラ・ロサも9番手で自身初のQ3進出を果たした。チームメイトの可夢偉は10番手のロバート・クビカ(ルノー)にコンマ1秒わずかに届かず、12番手に終わってしまう。
Q3
セッションは1回目の走行でアロンソが1分30秒426と、Q2でベッテルが出した最速タイムを上回ってくるが、その後は完全にレッドブル2台による争いへと移っていった。
ウエーバーとベッテルの2台は1分29秒台に突入し、まずは29秒695をマークしたベッテルが1回目のトップに立つ。するとベッテルは終盤2回目のアタックでも29秒615というベストタイムを叩き出し、タイム更新を果たせなかったウエーバーを引き離してポールポジションを決めた。3番手争いはハミルトンを退けたアロンソが入る。
またザウバーのデ・ラ・ロサはシューマッハー、クビカとともに1周のアタックにかける作戦を取ると、Q2のベストタイムを上回れなかったシューマッハーを下して9番手を獲得する健闘を見せた。