今季からBMWジュニア・スカラシップドライバーとしてフォーミュラBMWパシフィックに参戦、F1マレーシアGPのサポートイベントとして行われた第2戦セパンで3位表彰台を獲得した桜井孝太郎が27日、オートスポーツweb編集部を訪問。表彰台の感想と未来への抱負を語ってくれた。
9歳の時にテレビでF1を観戦、もともとのクルマ好きから「ここに行きたい!」と思った孝太郎は、よみうりランドでカートに触れ、レーシングカート専門のフォーミュラバトルに誘われカートキャリアをスタート。オーストラリアに留学した後、マカオでの世界選手権に参戦した際に、元オートスポーツ誌編集長の町田英明氏、そして元F1ドライバーの野田英樹氏に見出され、国内で“英才教育”を受けた。
その後、全日本カートを中心に活躍した孝太郎は、いち早く四輪デビューを飾るべく、プレマパワーの名伯楽、ダビデ・ディゴビィやルボーセ・モータースポーツの坪松唯夫代表の指導を受けつつ、昨年、世界14カ国から受験生が集まったBMWのスカラシップオーディションを受けた孝太郎は、厳しい関門をくぐり抜け見事フォーミュラBMWのスカラシップを獲得した。
しかし孝太郎は現在インターナショナルスクールに通うため、9月からは高校生になるものの、まだ中学生。国内では限定Aライセンスも取得できない年齢で、ライセンスについては中国でフォーミュラ・ウエスト(日本のFJ1600)を使ってトレーニングを重ね、あれこれ手を尽くした末、フィリピンのライセンスを獲得。そのため、今回のフォーミュラBMWデビュー戦もフィリピンからの出場となっている。
フォーミュラBMWパシフィックの開幕戦は、F1第3戦マレーシアGPのサポートイベント。「泊まったホテルでは、隣でロバート・クビカやカルン・チャンドゥックがトレーニングしてました」という憧れの環境でのデビューとなったが、初日はダンパートラブルなどで25台中12番手。しかし予選では第1レースで3番手、第2レースで4番手と盛り返した。
レース1では前を走る2番手のカルロス・サインツJr(元WRC王者のサインツの息子)を追ったが、残り4周でスピン。レース2では4番手走行中にまたもサインツJrとバトルになり、「最終ラップ、ぶつけられて差がついてしまったので、最後の最後で『ここしかない!』ってところで目をつぶって思い切り飛び込みました(笑)」という抜群のオーバーテイクでサインツJrをパス。「入っているのが分かっているのにかぶせられたので、『このヤロー』と思ってぶつけ返しました」と攻防を制し、表彰台の一角を確保した。
激しいバトルを制した孝太郎にはF1関係者も注目。トロロッソの代表、フランツ・トストにも声をかけられたりと、「高かったです」と語る表彰台から降りた孝太郎にはF1チームからも祝福の声が上がったという。
エンジンの不調などトラブルもあったため、「今回はこれでいいと思います」と語る孝太郎だが、「日本に帰ってみると、ずっと前とも連なっていたので『抜けたんじゃないか』と思って、今度は絶対に勝とうと思いました。トレーニングにも気合いが入ってます」と孝太郎。トレーニングのカリキュラムなどもBMWのスカラシップドライバーとして管理されているという。
孝太郎の将来の目標は、当然F1だ。「史上最年少のF1ドライバーを目指しているので、それに向けて逆算してステップアップしていきたいです。まず来年はヨーロッパに拠点を移して、フォーミュラBMWのスカラシップでヨーロッパのシリーズに出たい。そのためにもまずは1勝ですね。自信はあります!」という孝太郎。海外のステップアップフォーミュラで活躍する日本人ドライバーはまだまだ少ない状況だけに、今後の活躍に注目したいところだ。
