PRESS RELEASE
2010年11月1日
フォーミュラBMWパシフィックシリーズ第13、14戦決勝
桜井孝太郎選手、岡山国際サーキットで初の母国グランプリに挑戦。
ラスト1周の超スプリントレースで5位入賞を果たす。
10月30~31日、岡山際国際サーキットにて、WTCC(世界ツーリングカー選手権)のサポートイベントとして開催された『フォーミュラBMWパシフィックシリーズ2010 第13&14戦決勝』に、日本人最年少BMWスカラシップドライバー、16歳の桜井孝太郎(さくらいこうたろう)選手が参戦。桜井選手にとって初の母国グランプリでしたが、第13戦は車両規定違反にて失格。続く第14戦では8番手スタートから次第にポジションをあげ、チームタイトル獲得に大きく貢献する5位入賞を果たしました。
前回のシンガポール戦のレース終盤に、エンジンの不調を感じた桜井孝太郎選手は、初の母国グランプリを前に安全のためエンジン交換を実施。他のチームメイトはすでにシンガポール戦以前にエンジン交換をしていたため、万全を期しての母国参戦を目指しました。しかし、金曜日の30分間の走行で確認できたのは、新エンジンの不調のみ。直線で他のチームメイトに比べて10km/h近く遅いデータを前に、チームは難しい決断を迫られました。遅くても安全策をとるか、走行距離的にいつ壊れてもおかしくない古いエンジンに戻すか。長いミーティングの末、チームは旧エンジンに再度交換することにしました。
土曜日の予選、桜井選手は結果的に両レースとも8番手スタートが確定。エンジンの不調より、むしろセットアップの失敗が原因でした。しかしレースはレース、追い上げる以外にありません。そう覚悟して午後の第13戦をスタートした桜井選手は、厳しいレースを6位入賞で終えました。チームメイトのリチャード・ブラードレイ選手が2位チェッカーで、残り2戦を待たずしてドライバーズ・チャンピオンとルーキー・チャンピオンを確定。その結果、桜井選手が所属するチームであるユーラシア・モータースポーツとしては、翌日の第15戦で、確実にチーム・タイトル獲得を決めることが最大の目標となりました。最終戦のマカオGPは毎年荒れたレースとなります。昨年はスタート直後に15台近くがクラッシュするという波乱のレースでした。何が起こるかわからないマカオGPにタイトル争いがもつれ込むよりは、日本で決めたいというのが正直な気持ちでしょう。
しかし、レース終了後、桜井選手が各種データをチェックし、応援してくれる友人を岡山駅まで迎えに行き、一緒に夕食を食べている頃にサーキットでは事件が起こっていました。なんと、トップチェッカーを受けたゲスト参加のFCJチャンピオン、中山雄一選手と桜井孝太郎選手のふたりの日本人が失格と発表されていたのです。2台とも、デファレシンャル・ギヤの内部のある部品の組み付けが逆だったという理由でした。メカニックの作業ミスではありますが、性能的には何ら変わらないパーツです。悔しい失格の結果を受け止め、翌日の第14戦に臨むこととなりました。
第14戦は荒れたレースとなりました。いくつものアクシデンの末、トップを争う2台がレース中盤にヘヤピンで接触し、トップを走っていたオスカー・タンジオ選手が大きく宙を舞って1回転する激しいアクシデントが発生、セーフティーカーが出されました。桜井選手は8番手から5番手まで追い上げていた状況で、セーフティーカー解除を待ちます。しかし刻一刻と迫る終了時間(最大25分間でチェッカーというルールがあります)と減っていく周回数。レースはラスト1周で再開、わずか1周の超スプリントレースとなりました。桜井選手は結果的にそのままの順位でチェッカー。初の母国レースを5位入賞で終えました。その結果、チームは見事チーム・チャンピオンを決定。桜井選手が所属するユーラシア・モータースポーツにとって、すべてのタイトルを獲得するという、素晴らしい週末となりました。
●桜井孝太郎選手のコメント
「初の母国レースということもあって、かなり緊張するかと思っていたのですが、むしろリラックスできたのは、いろいろな意味で自分に自信が持てるようになってきたからだと思います。今回は日本人選手がふたりFCJという上のクラスから参戦すると聞き、やる気も増していました。ただ、日本人選手だからといって意識するのではなく、自分は自分のやるべきことをするだけです。
期待していたニュー・エンジンがハズレで(笑)、また古いエンジンで行くことになったのは正直ガッカリでしたが、直線で遅いとわかっているエンジンで勝てないレースを走るよりは、壊れるかも知れないけれど、少しでも可能性があるエンジンで走ることを決めました。自分は走るだけのレースはしたくありません。家族や親戚や友人も応援にきてくれ、いつもと違った喜びが、すごくモチベーションにつながりました。
予選は8番手と不調でしたが、悔しいけれど原因がわかっていたので問題はないです。土曜日の第13戦ではレース前のセッティング変更を外してしまった結果、ひどいオーバーステアが出て、高速コーナーでまるで踏めないマシンになっていました。それでも頑張って6位完走を果たしたのですが、レース後に失格だとチームから聴かされて驚くと同時に、本当にがっかりしました。ただ、ドライバー側の問題ではないので、気持ちを切り換えて日曜日のレースに臨みました。
第15戦もスタートは完璧(笑)。序盤のうちにポジションをあげるべく頑張りましたが、荒れたレースでしたね。前のほうのマシンが飛んでいったり、セーフティカー走行中にミラーの後方でクラッシュがあったり、結果的にはラスト1周レースという、ある意味で僕の予想どおりの展開でした。絶対に決めてやるって思いながら1コーナーに飛び込んだらブレーキが全然効かない状態になっていて、慌ててエンジン・ブレーキで合わせ、落ち着いてアトウッド・コーナーで再度トライしたけれど、まったくダメでした。目の前の表彰台に手が届く状況だったはずなのに、悔しくてしかたありません。しかし、ブレーキにトラブルを抱えたままの走行で、リスクを負って前のマシンを抜くより、ポジション・キープでチーム・タイトルに貢献することを考えました。今までの自分だったら、絶対にそんなことは考えず、インに飛び込んで、思いっきりクラッシュしていたと思います(笑)。
でも前のふたりはゲスト参加でポイントがつかないことを考えると、実質的なポイント上では3位となり、チーム・タイトルが確定すると思ったからこそ、今回は我慢しました。本当に今日のレースは毎ラップ、すべてのコーナーに集中し、攻め続けたレースでした。結果より、内容に満足しています。
次のマカオGPは、僕にとって2度目の公道レースです。そしてそれ以上に、今シーズン最後のレースでもあります。1年間の成長の結果を皆さん、そして海外F3チーム関係者の皆さんにみていただく意味でも、とても大切なレースです。シミュレーターでしっかり準備するために、明日の歴史のテストが終わったら、しばらく準備のために学校を休ませてくださいって校長先生にも担任の先生にも、今、留守番電話を入れました(笑)。気合いれて頑張りますので、皆さん応援してください」
