12日、2010年のF1エントリーリストが発表されるが、4,000万ポンドのバジェットキャップの来季導入にこだわるFIA会長マックス・モズレーと、そのルールを撤廃することを条件でエントリーを行っているFOTAとはいまだ解決策を見いだしていない。

 ある情報筋によると、FIAとFOTAとの交渉は今も“デリケートな段階”にあるという。モズレーは条件付きエントリーを提出したチームに対して書簡を送り、無条件のエントリーを申請して来季参戦を確定させてから、レギュレーションの変更について協議するよう求めた。FIAによると、FOTAはこのモズレーの書簡に対して“全く否定的というわけではない”姿勢でリアクションを行ったということだが、エントリー発表というタイムリミットが12日に迫っている。

 グローブ誌およびメール紙は、ミナルディチームのオーナーだったポール・ストッダートが、「F1はその歴史上最もショッキングな出来事を経験することになる」と語ったと報じている。ストッダードの予想では、既存チームでエントリーを確定させるのは無条件のエントリーを行ったウイリアムズとフォース・インディア、2005年にFIAと2012年までのF1参戦の契約を行っているフェラーリだけになるだろうと予想している。ただしフェラーリは、モズレーが契約違反を犯したためこの契約は無効であると主張している。一方、レッドブル・レーシングとスクーデリア・トロロッソもエントリーするとのウワサがある。ストッダードは、残りの枠は、プロドライブ/アストンマーチン、ローラ、チームUSF1、カンポス・メタ1、ロータス/ライトスピードGP、チーム・スーパーファンド、マーチ、N.テクノロジー、フォームテック/ブラバム・グランプリ・リミテッドあたりが占めることになるだろうと予想している。

 10日、ロンドンでFOTAが会合を行った後に、メルセデス・ベンツ・モータースポーツ・プレジデント、ノルベルト・ハウグは、ドイツの通信社DPAに対し、「私は今も妥当な解決法が見つかると信じている」と発言している。
 一方ブラウンGPのチームプリンシパル、ロス・ブラウンはこうコメントしている。
「もし(FOTAの会員でない)10チームがエントリーを承認されることになれば、それは大きな問題だ。したがって、決定的な解決に至るまでの一時的な立場とするにしても、解決を見いだすべきだと思う」
「何を望むにしろ、来年まで議論するのが賢明ではあるが」とフェラーリのチームプリンシパル、ステファノ・ドメニカリは言う。
「我々はできるだけ早く解決法を見つける必要がある。現状から抜け出すための道を見つけようと、我々は共に努力したい。今の状態はF1にとって非常によくないからね。安定、統治、規則、そしてそれを変更するやり方——それがF1の将来にとって重要な点なのだ」

 モズレーは、金曜に2010年のエントリーリストを発表した後に、エントラントとの会合を行い、今後のレギュレーションについて協議する予定であると述べている。しかしイタリアのラ・スタンパ紙は、「モズレー氏はF1を破壊した人物として歴史に残るおそれがある」と報じている。

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