3月6日〜7日の2日間、富士スピードウェイで2014年仕様に改良されたaprのトヨタ・プリウスGTがシェイクダウンテストを行った。
市販車のハイブリッドシステムを流用し、スーパーGTで初めてのハイブリッドレーシングカーとして、2012年からGT300クラスに参戦を開始したaprのトヨタ・プリウス。昨年の第2戦では記念すべき初勝利を飾ったが、今季に向けてマシンの大幅な改良に着手。車体の低重心化、オーバーハングの軽量化、フレームの見直し、配線や配管等もコンパクト化。ハイブリッドシステムも含め軽量化を行った。
また、パドルシフトの採用や、スワンネック形状のリヤウイングステー等、ドライバビリティや空力の改良なども行われ、まさにプリウスGTは2014年シーズンにむけて“生まれ変わった”状態となった。そのため、「岡山での公式テストの前にしっかりシェイクダウンをして、万全の状態で岡山に挑みたかった(金曽裕人監督)」と、2日間富士で確認のため走行することとなった。
初日となった6日は、パドルシフトの動作確認や、新しくなったハイブリッドシステムの確認などを行いながら15周ほどを周回。2日目は早朝、御殿場市内に雪が降ったため天候が心配されたが、ドライで走行することができた。
途中小雪が舞う時間帯もあったが、2日目は午前が新田守男、午後が嵯峨宏紀という形で周回。ともにハイブリッドシステムとエンジンを開発してきたトヨタのスタッフも見守る中、目立ったトラブルもなく、「すごく順調(金曽監督)」と好感触を得て、岡山テストに向かうことになった。
ドライブした新田に14仕様プリウスの感想を聞いてみると、「まだ去年のクルマと比べると実際のパフォーマンスではそのレベルにはないけど、新しいものをたくさん盛り込んでいるので、その新しいものが煮詰まった時に、高いレベルが期待できる感触」という。
「僕たちがプリウスでネックだと思っていて、理想に近づけない部分があったけど、それが少し見えるものになりそうかな」と新田。すでにライバルとなるホンダCR-Z GTをはじめ、多くのGT300車両が走行を開始しているが、今季のプリウスの飛躍が期待できる初走行となったようだ。