31 Panasonic apr PRIUS GT
apr Racing

2013 AUTOBACS SUPER GT Round 3
開催地:セパンインターナショナルサーキット/5.542km

6月15日(予選)天候:曇り コースコンディション:ドライ 観客数:41,000人
6月16日(決勝)天候:曇り コースコンディション:ドライ 観客数:67,700人

レース後半の巻き返しを誓うも、エンジントラブルによって無念のリタイア

 スーパーGT第3戦は、マレーシア・セパンサーキットが舞台。最終コーナーで折り返される2本のストレートを持つコースは、ハイスピードかつテクニカルな性格を合わせ備え、非常にチャレンジングだとドライバーからも高い評価を保つ。さらに常夏の国で行われることから、厳しい暑さとも戦わなければならず、過酷さではシリーズ一、二を争うレースでもある。

 新田守男選手と嵯峨宏紀選手の駆る、「Panasonic apr PRIUS GT」は前回の富士スピードウェイでのレースで初優勝。ハイブリッド車両としてスーパーGTで初の快挙を成し遂げ、歴史にも名を残すこととなった。その一方で、ウエイトハンデを40kgも積むことになり、なおかつ昨年のセパンにはハイブリッドシステムを外しての参戦とあって、データの不足は否めず。そんな厳しい状況をどう乗り越えていくのか注目された。

公式練習
5月15日(土)13:00~
 普段は土曜日の午前中に行われる公式練習が、今回は午後からのスタートに。セッションそのものの時間はいつもどおりであるものの、予選までのインターバルが1時間半しかないため、セットアップをより入念、かつ迅速に進める必要があった。

 今回も最初に「Panasonic apr PRIUS GT」のステアリングを握ったのは新田守男選手。最初の計測ラップでいきなり2分6秒009をマークし、予選に向けては持ち込みセットの方向性が正しかったことが確認されたこともあり、以降は決勝セットの煮詰めとタイヤ選択に重点が置かれることとなった。

 トラブルに見舞われることはなかったものの、これで絶対というタイヤがなかなか見つからず、いつも以上に短い周回でピットに戻ってくる。これが何度も繰り返され、終盤になって再び2分6秒台を記すように。残り30分を切ったところで、ようやく嵯峨宏紀選手に交代。アウトラップに勢い余ってコースアウトもあったが、幸いマシンにダメージはなく、いったんピットに戻って仕切り直すも、残り時間は少なく、嵯峨選手は8秒710を記すに留まった。その結果、最初に記した6秒009がベストタイムとなり、6番手で公式練習を終えている。

公式予選Q1
16:30~16:45
 今回の予選Q1担当は嵯峨選手。気温は33度、路面温度は40度と高めではあるものの、セパンということを思えば、想定以下というところか。計測は15分間ながら、ワンアタックで勝負を賭けるべく、ピットを開始から5分後に離れる。1周をタイヤのウォームアップとポジショニングに充てた後、いよいよアタックを開始。激しくコースを攻め立てる嵯峨選手は2分5秒470と、公式練習を上回るタイムを記録したところで嵯峨選手はピットに戻ってくる。

 その段階ではQ2進出も可能だったのだが、終了直前にタイムアップした車両もあって、なんと14番手に後退。あとコンマ1秒の差でQ1突破ならず、「Panasonic apr PRIUS GT」は決勝レースに7列目、14番手のグリッドから挑むこととなった。

新田守男選手
「僕は予選を走ることができなかったんですが、練習の印象では決勝レースは悪くなさそうかなと。ただ、前半は辛いかな。というのも、スタートの段階で決勝にベストだと思われるタイヤが使えないんですよ、マーキングの関係で。それを使っていたとしても、予選は下の方だったかもしれないし、結果は同じだったかもしれないけど、スタートから履けないというのがね。まぁ、前半に置いていかれなければ、後半で巻き返せると思います、ペースも悪くないはずですからね」

嵯峨宏紀選手
「今回は持ってきたタイヤが今ひとつコースに合っていないような気がしたので、用意された中ではベストの選択をして、やれることはやったんですが、ちょっと力及ばず残念な結果になってしまいました。そういう中でも決勝に向けては、いい材料もあると思うので、しっかり明日のフリー走行でデータを取って、少しでも挽回できるような状況が作れたらいいですね」

金曽監督
「持込のマシンセットは自信があり、更にセパンでハイブリッドシステム初投入も上々の仕上がりで、後はタイヤチョイスを入念に行えば予選上位を望めるはずだった。しかし前戦優勝の+40kgハンディーウエイトが想像以上に効き、我々が用意したタイヤはその重さにパフォーマンスを奪われ非常に苦戦している。その事から予選順位が14番手でも現状を見据えればBEST。少し苦しい展開だが明日は中盤から じわじわと上位を狙う秘策もあるので ご期待ください」

決勝日・フリー走行
5月16日(日) 11:00~11:30
 フリー走行で最初に「Panasonic apr PRIUS GT」のステアリングを握ったのは、決勝のスタートを担当する嵯峨選手。開始から間もなくピットを離れ、少しでも多くのデータを得るべくさっそく全開での走行を重ねていく。2周に渡って2分9秒台をマークした後、3周目には8秒560を記録。その後、ピットに戻って調整した後、再度3周走るもタイムアップはならず。

 終了直前になって新田選手と交代。2周を走行した新田選手のベストタイムは9秒137で、その後のサーキットサファリでも周回を重ねるも、9秒台を記すのがやっととあって、決勝に向けては一抹の不安を残すことともなった。

決勝レース(54周)
16:00~
 例年セパンでのレーススタートは遅く、陽が傾いてからとなるが、今年はさらに1時間遅くなり、スタート進行の開始は2時50分、スタートそのものは4時からに改められた。8分間のウォームアップには嵯峨選手がタイヤのスクラブだけ行い、すぐにピットに戻ってグリッド整列の時を待つ。

 今回は6万7千人もの観客が集まり、グランドスタンドはほぼ満員。これもスーパーGTの人気が、マレーシアで完全に定着したことの証明ともいえるだろう。噂では今年限りとされるも、真偽のほどは公式には発表されなかった。

 スタート直前の気温は33度、路面温度は42度と、予選とほとんど変わらず。やや緊張の面持ちでグリッドに並んだ嵯峨選手。集中力を高めて、スタートダッシュにすべてを賭ける。1コーナーでの混乱はなく、クリアスタートが切られ、まずはポジションキープとなった「Panasonic apr PRIUS GT」。しかし、2周目にはひとつポジションを上げて13番手に。2分8秒台で順調に周回を重ねていただけに、そのまま徐々に順位を上げていくことが期待された。ところが8周目に入って間もなく、コース脇にストップ。スロットル系にトラブルが生じ、早々とリタイアを余儀なくされることとなった。

 次回のレースは、スポーツランドSUGOが舞台となる。昨年のレースでは初めてトップも走行し、「Panasonic apr PRIUS GT」との相性は決して悪くない。今回の悔しさをバネに高得点を獲得し、悲願の王座獲得に向けて再び前進を果たすことを期待したい。

新田守男選手
「今回は僕、予選も決勝も走れず、非常に残念です。決勝がスタートしてからのペースがあのぐらい、っていうのは想定の範囲だったんで、後半から本来使いたかったタイヤで行けたなら、もう少し様子も、この先のレースへのつながりも見られたと思うんですけどね。ちょっとうちのクルマには細かいトラブルが多発していて、今はテストがそんなにできず、レースが次のレースにつながる、重要なテストを兼ねている状況だから、このリタイアっていうのは失うものが多すぎます。そのへんをしっかり改善して、まだまだシリーズは狙える位置にいるとは思うので、気持ちを改めて次回のレース、頑張りたいと思います」

嵯峨宏紀選手
「トラブルの原因ははっきりとは分からないのですが、2コーナーを立ち上がったら急にエンジンが吹けなくなってしまったという状態で。たぶんエンジンの、スロットル系のトラブルじゃないかと思います。それ以前にもペースはあまり良くなくて、もしかしたらトラブルとリンクして、ペースが上がらなかった可能性もあるんじゃないでしょうか。ちょっと今回は流れは良くなかったですね。良くないまま終わっちゃったという感じで……。前回優勝して、完走率を上げようという目標を立てていたのが、いきなり出ばなをくじかれてしまい、残念でなりません。ただ、今まで起きたことのないトラブルなので、そういう意味では運もなかったのかな。気を取り直して、次のSUGOに向けて、やれることをやっていきます」

金曽監督
「想像外の、ありえないところが壊れて一瞬でレースを終えることになった。よりによって決勝のタイミングでこの様な前例の無いトラブルが発生。たくさんの関係者の協力で成り立っている PRIUS GT。不慮のトラブルに対して誰の責任で、どの部品が、とは言わないのがこのプロジェクト。しかし、これを不運と言わず、破損内容を詳しく解析し改善を行えば技術の進歩に繋がります。我々はその改善を施し、菅生のレースフィールドで再び輝きを取り戻したい。シリーズを見据えると今回の0ポイントは、非常に厳しい展開であるが残り5戦を全力で挑み、応援くださる皆様のご期待に応えたいと思います」

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