スーパーGT第3戦オートポリスは1日、65周の決勝レースが行われ、途中セーフティカーが導入される荒れたレースの中、予選2番手からスタートしたARTA CR-Z GTがJAF-GT勢同士のバトルを制し優勝を飾った。
やや雲がかかっているものの、午前中から変わらずの酷暑の中でスタートしたスーパーGT第3戦オートポリスの決勝レース。クラス6番手のOGT Panasonic PRIUSがフォーメーションのスタートができなかったものの、GT300クラスポールポジションのSUBARU BRZ R&D SPORTを先頭に、65周の決勝レースのスタートが切られた。
序盤からトップを快走したのは、ポールスタートのBRZ。次いでARTA CR-Z GTが続くが、3番手スタートのB-MAX NDDP GT-Rは少しずつペースが下がり、GAINER DIXCEL SLSの先行を許してしまう。また、GT300クラスでは序盤から波乱も発生。開幕2連勝を飾っていたグッドスマイル 初音ミク Z4だが、GT500クラスの接触に巻き込まれてしまう形でタイヤがバースト。また、最後尾から素晴らしい追い上げをみせていたStudie BMW Z4だが、ドライブスルーペナルティを課せられてしまう。
タイヤに厳しいオートポリスにあって、早めにピット作業を行うチームも多かったが、トップのBRZ、2番手ARTA CR-Z GTはレース折り返しまでタイヤ交換を引っ張ることに成功する。BRZが先にピットストップを行うが、CR-Zがピットストップを行うと、ARTAの素早い作業が奏功し2台のポジションは逆転。3番手以下を大きく引き離し、終盤に向けてJAF-GT同士の緊迫した争いが展開されていった。
しかし、48周目にGT300クラスの7番手を走行していたIWASAKI apr GT-Rが、1コーナーを直進してしまいグラベルを通過、タイヤバリアに激突した後バリア、ガードレールを飛び越えサービスロードに落下するという激しいクラッシュが発生してしまう。幸いIWASAKI GT-Rをドライブしていた岩崎祐貴に意識はあり、救急車でメディカルセンターに搬送されたが、GT500クラスのD'station ADVAN GT-Rもほぼ同時にストップしたため、セーフティカーが導入。トップの2台のJAF-GT勢にとっては、築いたマージンがなくなってしまった。
1コーナーのガードレールが壊れていたため、セーフティカーはかなり長時間コース上に留まることに。レースはGT500クラスの首位が56周目に入るタイミングで再開された。しかし、レース再開後もARTAを駆る小林崇志は後続を突き放す走りをみせ、最終的に2.2秒の差をつけトップでチェッカー! BMWの連勝で始まった今季のスーパーGTで、JAF-GT勢が初優勝。2位はSUBARU BRZ R&D SPORT、3位はB-MAX NDDP GT-Rを抑えきったGAINER DIXCEL SLSとなった。
「しんどかったです。SC入ってからは後ろも同じペースできていたし、精神的に厳しかったです。でもチームのおかげで優勝することができました」と小林は、出迎えた高木とガッチリと抱擁をかわした。