DTMドイツツーリングカー選手権を運営するITR e.vのハンス-ベルナー・アウフレヒト代表は、現在のグリップレベルを低下させ、よりドライバーのテクニックをトラック上で見せられるようにするべきだと語った。
今季のDTMは20日、ホッケンハイムで最終戦が行われ、レインコンディションの下でティモ・グロック(BMW M3 DTM)が優勝を飾ったが、DTMのプロモート、運営を担当するITR代表のアウフレヒトは、チャンピオンシップがエンジニアの手から、ドライバーの手に委ねられなければならないと語った。
「最終戦は雨のレースになったが、グリップレベルが低下したためにドライバーのスキルを示す絶好の機会になった。実にスリリングで、このスポーツの歴史に残るドラマチックなレースになったと思う」とアウフレヒトは最終戦について評した。
「我々が将来目指すべき道は、グリップを減らすことだと思っている。そして、彼らが機械のようにコーナーをクリアするだけでなく、ドライバーがそのスキルをアピールするべきなんだ」
現在のDTM車両について、ドライバーたちはパワーよりもグリップレベルの方が優っていると語っている。今季、アウディRS5 DTMをドライブしチャンピオンを獲得したマイク・ロッケンフェラーは「2012年から現行の車両規則になったけれど、より幅の広いタイヤと大きなリヤウイング、それにディフューザーを備えている。以前の車両よりも大きなグリップをもっているんだ」と語る。
また、同じくアウディをドライブするエイドリアン・タンベイは「クルマは十分にパワフルとは言えない。パワーに対して、グリップが高すぎるんだ。僕たちドライバーにとっては、それほど刺激的じゃない」と語った。
DTMでは今季、F1スタイルのDRSシステムとオプションタイヤを投入し、レースの順位変動を促す施策を導入している。