5日、鈴鹿サーキットで行われた全日本選手権フォーミュラ・ニッポンの合同テストで、Team KYGNUS SUNOCOのロイック・デュバル車に、新しい形状のディフューザーが装着された。

 このディフューザーは、フォーミュラ・ニッポンを運営する日本レースプロモーションが検討・開発したもので、ウエット時のウォータースクリーンを軽減する目的と、フロントウイングが前走車と接近するとダウンフォースが抜ける現象を改善できないか、という目的で、現行のFN09シャシーを大きな改良をせずに実現しようというもの。

 2009年に導入されたFN09シャシーは、ベンチュリー構造をもったウイングカーであるため、それまでのフォーミュラカーと比較してもダウンフォースが大きく、ウエット時には水煙が高く巻き上がるため、決勝レース時には前を走るマシンの水煙により、後走車が接近しづらい状況があった。

 そのため、雨の多い日本でより安全でエキサイティングなレースができないか、というアイデアが上がり、今回のディフューザーが生まれることになったという。今回デュバル車に装着されたディフューザーはこれまでのものに比べて長く伸びたセンタートンネルと、リヤタイヤ後方に張り出したフィンで構成されている。

 今までのFN09では、センタートンネルの出口がリヤウイングより前方に位置していたが、そのためセンタートンネルで跳ね上げられた水煙が、リヤウイング下面の空気流によってさらに高く巻き上げられていたため、この新しいディフューザーでは、センタートンネルの出口をリヤウイングより後方に設置。また、リヤタイヤ後方のフィンで、リヤタイヤが跳ね上げる水煙をブロックするという意図があるという。

 今回、ウエットになった合同テスト初日の午後に、デュバル車がこの新ディフューザーを装着して走行。後方に大嶋和也(Team LeMans)を従えて走ったが、この日の鈴鹿はコース上の水量が絶対的に多く、水煙が大きく減るという状況は確認できなかったものの、水煙の広がり方は少ないのではないか、という状況がみられたという。

 今後このディフューザーはテストや改良を繰り返していくことになるが、特定の条件下でなければ効果を確認できないパーツでもあるため、難しいところもあるようだ。とは言え、より白熱したレースを狙うディフューザーだけに、実現が期待されるところだ。

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