全日本選手権フォーミュラ・ニッポンの合同テストは2日目を迎え、総合トップタイムは午前のセッションで1分54秒262を記録したアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)がマークした。
2日目、鈴鹿サーキットは早朝から雨に見舞われた。参加チーム/ドライバーの顔ぶれは前日と同じ。午前10時から午後12時までのセッションでは、開始10分すぎにロッテラーがライバルに大きく水をあける1分56秒台を記録した。開始20分には、ドライコンディションだった前日にトップタイムを記録した小暮卓史(NAKAJIMA RACING)が1分55秒444で首位に立った。小暮は連続して周回を重ねて、1分54秒466とさらに1秒近くタイムを縮めた。これを合図とするように多くのドライバーが続々とコースインを開始。ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)、石浦宏明(Team LeMans)、塚越広大(HFDP RACING)が次々に、1分55秒台の自己ベストをたたき出した。
ロッテラーもこれを見て、約30分の待機を終えて久しぶりにコースイン。早速1分55秒台の自己ベストを記録し、連続して周回を重ねた結果、1分54秒262をたたき出して小暮を逆転、首位に立った。その直後にはリチャード・ライアン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が1分55秒282を記録。小暮も約20分ぶりのコースインを決断し、速い周回を連続して重ねた。しかし、最終セクターのタイムが伸びず、残念ながら自己ベスト更新と首位奪還はならなかった。
午前11時をすぎると、雨脚が強まったこともあって各ドライバーとも思うようにタイムを縮められなかった。結局、午前のセッションはロッテラー、小暮、ライアンがトップ3。ルーキー勢3人の中ではケイ・コッツォリーノ(Team LeMans)が最上位で、1分56秒384と総合9番手のタイムだった。
午後2時から午後4時までのセッションでは、トヨタエンジンユーザーの復帰ドライバーや新人ドライバーが、セッション開始早々から我先にとコースイン、マシン習熟のために周回を重ねた。開始20分をすぎると、ロッテラー、大嶋和也(PETRONAS TEAM TOM'S)、石浦宏明(Team LeMans)、平手晃平(TEAM IMPUL)などのトヨタエンジンユーザーが雨の降るコースへと出て行った。まずはロッテラーが1分56秒878で首位へ、続いて石浦が1分56秒480で首位へと躍り出た。
ホンダエンジンユーザーはコンディションの回復を待ってなかなか顔を見せず、最初にコースインしたのは塚越で、それもセッション開始から40分以上も経ってからだった。塚越は連続周回でウォームアップを終えると、石浦のタイムを逆転する1分56秒123で首位に立った。
午後3時、ついにタイムは大台を突破。オリベイラが1分55秒788で首位に立った。これを見てNAKAJIMA RACINGの小暮と山本尚貴もようやくコースイン。しかし、小暮はなかなかタイムを伸ばせなかった。一方、同じホンダエンジン・ユーザーの塚越が、セッションも残り約40分の時点で1分55秒281をたたき出して首位に立った。こうしてセッションも残り25分あまりとなり、自己ベストを更新した次の周に小暮に不運が襲い掛かった。ダンロップコーナー入り口でスピンし、コースアウトしてタイヤバリアに接触。この事故でセッションは赤旗中断となった。
小暮の車両が回収されると、セッションは残り約15分で再開。すると積極的な走りを見せた石浦が1分55秒753を記録し、次の周では1分55秒524までタイムを縮めて2番手へ浮上してきた。そうして午後4時、セッションは終了となったが、ほぼ時を同じくしてオリベイラがデグナー手前でコースアウト、タイヤバリアに接したため赤旗が掲示された。オリベイラはダメージを負ったクルマで、ピットまで戻ってきた。
結局、午後のセッションは塚越、石浦、オリベイラがトップ3を構成。ルーキー勢の中ではコッツォリーノが再び最上位となった。ちなみに午後のセッションでは、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの2台は出走を見合わせた。2日目の総合結果では、ロッテラー(1分54秒262:午前)、小暮(1分54秒466:午前)、塚越(1分55秒281:午後)がトップ3を構成した。
なお、次回の合同テストは3月25日〜26日に富士スピードウェイで開催される。
