マレーシアGPの初日が終わりました。気温30℃以上という過酷な条件ながら、ロータスとケータハム以外には大きなトラブルはなく、心配された冷却性能面の問題は、かなり改善されたように見受けられました。さすがF1というところでしょうか?
さてそのマレーシアGPで上位を争うマシンはいずれか? 本日行われたフリー走行2回目の結果から予想してみましょう。
まず今回のレースも、メルセデスの2台が速いことに変わりはなさそうです。ふたり揃ってミディアムタイヤでのロングランを行っていましたが、特にルイス・ハミルトンは序盤に1分43秒台を2回も記録しており、ここで後続に差を付けることができそうです。その後のタイム下落も他チームに比べて緩やかで、タイヤのデグラデーション面を見ても、フェラーリやマクラーレンでは太刀打ちできそうにありません。
ただし、脅威になりそうなチームがふたつあります。レッドブルとウイリアムズです。レッドブルはセバスチャン・ベッテルがミディアムタイヤで13周にわたるロングランを実施。タイムの下落幅は約2秒(1周目:1分44秒280⇒13周目:1分46秒091)でした。メルセデス勢の下落幅は10周で約2秒(1周目:1分43秒756⇒10周目:1分46秒142)であり、その下落速度ではレッドブルに軍配が上がります。走り出し序盤からそれほど大きな差はなく、しかもレースで長い距離を走ることになればペースが逆転するポイントが必ずくる……そうなった場合にメルセデスがどんな戦略を採用して、レッドブルの追撃を振り切るのでしょうか?
もうひとつの注目チームは前回同様ウイリアムズ。フェリペ・マッサのロングランのペースは特筆すべき内容ではない(それでもメルセデス2台+ベッテルに次ぐ4番手あたり)ですが、ここではチームメイトのバルテリ・ボッタスのペースに注目したい。ボッタスはミディアムタイヤで10周走行した後、一旦ピットに戻り、再び同じミディアムタイヤでコースインして、さらに10周のロングランをこなしています。このどちらのロングランもペース的にはほぼ同じ。つまり、かなり使い込んだタイヤでもハイペースで走ることができるということで、他よりもタイヤ交換の回数を減らすことができるかもしれません。その作戦が実現すれば、勝機も見いだせそう……、セッション後に発表されたドライバーふたりのコメントからも自信がうかがえます。
ただ、ウイリアムズにとって最大の頭痛の素になりそうなのが予選の天候。開幕戦オーストラリアでもウエットタイヤをうまく発熱させることができず、9番手10番手に沈みました。今回も予選は“雷雨”の予想。これがウイリアムズの予選順位そして決勝での戦いにどう影響してくるでしょうか?
最後に、少しだけハードタイヤでのラップも見てみましょう。ハードタイヤで速いのは、やはりメルセデスの2台。ロングランとは言えないかもしれないが、6~8周の連続走行をこなしていて、同じく同様の連続走行を行ったマクラーレンのジェンソン・バトンやフォースインディアのニコ・ヒュルケンベルグを1.5~2秒程度引き離しています。ただ、ウイリアムズのマッサは3周程度しか計測していないもののロズベルグに近いペースで周回しており、このレベルで走り続けることができれば、メルセデスを苦しめることができるかもしれません。
メルセデスの2台、レッドブルそしてウイリアムズの2台が上位を争い、その後方をフェラーリとマクラーレンそしてフォースインディアが走る……という展開を、フリー走行の結果から予想してみました。
暑さと、雨が大きく影響してきそうなマレーシアGP。明日以降も要注目です。