F1第2戦オーストラリアGPの決勝が28日、メルボルンのアルバートパーク・サーキットで行われ、ジェンソン・バトンがマクラーレン移籍後初の優勝を飾った。2位はロバート・クビカ(ルノー)、3位はフェリペ・マッサ(フェラーリ)が入った。BMWザウバーの小林可夢偉はリタイアに終わっている。
決勝開始時刻の午後5時(現地時間)を前にサーキットには雨粒が落ち始め、レースはウエットコンディションでのスタート。気温は26度、路面温度は23度。ほぼすべてのマシンが雨用のインターミディエイトタイヤを履いてスタートグリッドに着き、ヴァージンとヤルノ・トゥルーリ(ロータス)の3台はピットからのスタートを選択した。
レースは雨の影響もあり混乱のなかスタート、ポールのセバスチャン・ベッテル(レッドブル)はトップを守るも、3番手スタートのフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が1コーナーでバトンと絡んでスピン、最後尾に順位を落とすと、そのあおりを受けたミハエル・シューマッハー(メルセデスGP)もフロントウイングを破損して緊急ピットイン。オープニングラップではさらに小林可夢偉がフロントウイングを破損した状態でコントロールを失い、ウイリアムズとトロロッソを巻き込んで激しいクラッシュを喫してしまう。レースは2周目からセーフティカーが導入された。
5周目からレースが再開されると雨はほぼ収まり、今度は路面が乾き始めてくる。これにいち早く反応したバトンが7周目にピットインしてタイヤをドライタイヤ(オプションのソフトタイヤ)に履き替え、9周目には上位勢も含め多くがピットインしてここでポジションが若干変わる。レッドブル勢はライバルよりピットインが遅れ、ウエーバーがポジションをダウン。上位勢の順位は11周を終えトップにベッテル、2番手バトン、3番手クビカ、以下ニコ・ロズベルグ(メルセデスGP)、マッサ、ウエーバー、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)となった。
その後レースはしばらくベッテルがリードするが、後方では上位勢がホイール・トゥ・ホイールのバトルを繰り広げポジションが目まぐるしく変化する。そんななか、スタートで最後尾に回ったアロンソも次々とポジションを上げ上位勢の直後までポジションを回復してくる。
26周目、ここで単独トップのベッテルがコントロールを失ってグラベルにコースアウト! ブレーキトラブルを訴えるも時すでに遅く、ポールスタートのベッテルはリタイアとなり、これでトップにはバトンが浮上、2番手クビカ、中盤の争いから抜け出したハミルトンが3番手につけ、以下ロズベルグ、マッサ、ウエーバー、アロンソと続く。
中盤を前に早くも9台がリタイア、コース上には15台が残る。レース折り返しを過ぎる30周目以降は先頭のバトンと2番手クビカのポジションは変わらないものの、上位勢の中でウエーバーとハミルトンが2回目のタイヤ交換を行ったため、3、4番手にはマッサ、アロンソのフェラーリ勢が上がってくる。その後、上位の位置関係はバトンが単独でリードを広げ、2番手のクビカはフェラーリ2台に追われる状況。しかし、後方5、6番手を走るハミルトンとウエーバーは前3台よりも新しいタイヤを履いておりペースは上。レース終盤には7番手のロズベルグもその争いに加わり、表彰台をかけた争いが終盤まで続くこととなった。
レースはチェッカー目前の56周目、5、6番手からアロンソを追っていたハミルトンとウエーバーが接触して両者グラベルにコースアウト。ハミルトンは6位に後退し、ウエーバーはフロントウイングを失ってピットインしたため9位までポジションを下げてしまった。
58周のレースはバトンがそのまま逃げ切って優勝。バトンはマクラーレン移籍後初となる勝利で通算8勝目、オーストラリアは2年連続の優勝となった。2位は最後まで後続の追い上げをかわしたクビカ。3位はマッサ、4位アロンソ、5位ロズベルグ、6位ハミルトン。7位にはフォース・インディアのビタントニオ・リウッツィが入り、2戦連続でポイントを獲得している。