フォーミュラワン・チームズ・アソシエーション(FOTA)が2011年F1のタイヤサプライヤー契約について協議し、候補がミシュランとピレリの2社に絞られたようだ。
今季末でのF1撤退を発表しているブリヂストンに対し、チーム側は思いとどまるよう説得したが、同社は撤退の決定を翻していない。F1参戦の意向を示したエイボン・クーパーとクムホは、パフォーマンスの点で不安が見られるとして、現在はミシュランとピレリの2社が来季F1タイヤサプライヤーとして検討されているようだ。
モナコでのFOTAの会合でタイヤサプライヤーが決定されることが期待されていたが、最終決定には至らなかった。ミシュランとピレリにはそれぞれに賛否両論があり、マニュファクチャラー系チームとインディペンデントチームとでは許容するコストも異なるため、意見がまとまらないという。
「あと1週間かかるだろう」とフェラーリのチームプリンシパル、ステファノ・ドメニカリはMotorsport-Magazin.comに対してコメントしている。
「おそらく来週末になるのではないかと思う。候補は2社だけだ。ミシュランとピレリだ」
「方向性ははっきり決まっていない」とメルセデスGPのCEO、ニック・フライが、SPEEDTV.comのアダム・クーパーに対してコメントしている。
「技術面と商業面のパッケージが異なっている。我々はピレリもミシュランも問題ないと考えており、正直言って決めかねている」
ミシュランは2006年までF1で活動しており、最近の経験を持っているが、ピレリの方が要求している価格が安いと言われている。しかしミシュランも1チームあたりの価格を500万ユーロから150万ユーロに引き下げている。一方ピレリは新シリーズ、GP3に独占的にタイヤを供給しており、今年訪れるヨーロッパのコースで貴重なデータを収集できる。
「協議は今も続いている」とメルセデスGPのチームプリンシパルでありFOTAのテクニカルグループ責任者を務めるロス・ブラウンは、grandprix.comに語った。
「ピレリから非常に素晴らしい提案をいただいている。真剣に検討すべき提案だと思う。我々の状況は数カ月前よりは前進している。F1に真剣な提案が来ているのだから。数カ月前には何もなかった」
「関心が寄せられて大いに勇気付けられている。両タイヤメーカーもマシンのデザイナーたちも、仕事をスタートしたがっている。最悪な事態は、誰かが運よくマシンをタイヤに合わせてデザインしていいマシンを作り、他の人々は彼らに何の落ち度もないにもかかわらず、時間が足りないがためにいいマシンが作れなくなることだ。チームは再び集まって協議を行う必要がある。できれば近いうちに結論を出したい」