F1第3戦マレーシアGPの決勝は、レッドブルのセバスチャン・ベッテルが今季初優勝し、2位も僚友マーク・ウエーバーが入り、レッドブル勢が1-2フィニッシュを決めた。3位はニコ・ロズベルグ(メルセデスGP)。BMWザウバーの小林可夢偉はまたもリタイアに終わった。
雨の予選から一転、決勝日のセパン・インターナショナル・サーキットは晴れ間が広がり、レースはドライコンディションでのスタートを迎える。気温32度、路面温度は42度。
予選がウエットコンディションだったため、決勝スタート時のタイヤは自由に選択できることになり、フロントロウの2台をはじめ上位陣はオプションと呼ばれるソフトタイヤを選択し、後方スタートのフェラーリ勢などはハードタイヤをチョイスした。
注目のスタートでは、3番グリッドのベッテルが1コーナーでトップを奪い、ポールのウエーバーが2番手で続く。ロズベルグが3番手となり、その後方にはロバート・クビカ(ルノー)、エイドリアン・スーティル(フォース・インディア)、ミハエル・シューマッハー(メルセデスGP)と続いた。
するとレース序盤はベッテル、ウエーバーのレッドブル勢が早々と1-2態勢を築き、10周目には3番手ロズベルグとの差を5秒近くに広げる。なおも快調に周回を重ねるレッドブル勢はそのリードをさらに広げていき、20周目には11秒のマージンを築いて早くもレースの主導権を握った。
レッドブルが1-2でレースを進めるなか、各車1回目のピットインはタイヤ選択が分かれたこともありジェンソン・バトン(マクラーレン)が10周目と早めだったのに対し、上位勢は20周を過ぎてからとなる。4番手クビカが22周目、翌周に3番手ロズベルグが入り、先頭のベッテルは24周目にピットインしてタイヤをハードタイヤに交換した。
ベッテルの翌周にピットインした2番手ウエーバーはタイヤ交換の際に右フロントのジャッキが一瞬外れず数秒をロス。コース復帰は、ピットインがまだのルイス・ハミルトン(マクラーレン)を挟んで3番手となり、ベッテルとの差も5秒近くまで広がってしまった。
しかしピットイン以降もレッドブル勢の優位は動かず、30周目を過ぎてもトップ2台と3番手ロズベルグとの差は10秒以上。心配された天候も雨の降る気配はなく、レースの注目は後方のポジション争いに移った。
後方スタートからポジションアップを図るマクラーレンとフェラーリ勢はハミルトンが前述のように一時2番手を走るなど、レース序盤から徐々にポジションを上げ31周目のピットイン以降は暫定6番手を走行。終盤は5番手のスーティルを激しくプッシュした。
また、フェリペ・マッサが27周目、フェルナンド・アロンソは37周目と1回目のピットインを遅らせたフェラーリ勢も、終盤は7番手を走るバトンと激しいバトルを繰り広げ、44周目の1コーナーでマッサがバトンをオーバーテイクする。しかしアロンソはトラブルを抱えながらバトルを繰り広げた末にマシンから白煙を吹いてストップ。レース残り2周という55周目のリタイア(完走扱い)はランキングトップだったアロンソにとって悔やまれる結果となった。
レースは後方のバトルをよそにレッドブルが終盤も危なげない走りでファイナルラップを迎え、そのままベッテルが今季初のトップチェッカーを受けた。レッドブルは2位もウエーバーが入り、1-2フィニッシュを達成。3位はロズベルグとなり、4位以降にはクビカ、スーティル、ハミルトン、マッサ、バトン。9位トロロッソのハイミ・アルグエルスアリと10位ニコ・ヒュルケンベルグ(ウイリアムズ)は今季初ポイントを獲得した。
9番手スタートで期待された可夢偉はオープニングラップでひとつポジションを落とすと、9周目に白煙を吹いてストップし、これで3戦連続となるリタイア。エンジントラブルからスタートをきれなかったペドロ・デ・ラ・ロサとともにBMWザウバーはまたもトラブルでレースを失う結果となった。またメルセデスのシューマッハーも10周目にマシントラブルに見舞われこちらもリタイアに終わっている。