2015年F1開幕戦を前に、英AUTOSPORTがプレシーズンテストの結果からチームを評価、現時点でのパフォーマンス上のランキングを決定した。

 全12日間のテストのラップタイムを分析し、ドライバーやチーム上層部への取材を通して、英AUTOSPORTは2015年開幕戦を前にした全チームの序列を予測した。
 以下にテスト不参加のマノーを除く9チームのランキングと英AUTOSPORTによる寸評の要旨を紹介する。

1. メルセデス
「W06の速さは明らかであり、冬の王者はメルセデスのみ。ライバルたちよりハード側のコンパウンドを使って同等あるいはそれ以上の速さを見せた。セットアップに満足できないとふたりのドライバーがコメントしたが、それでも他チームより勝っていたのは明らかだった」

2. フェラーリ
「冬季のフェラーリは素晴らしかった。チーム代表はプレシーズンテストでの目標は達成できたと述べ、ドライバーたちも満足していた。SF15-Tにメルセデスを倒す力はまだなさそうだが、昨年型から大きく進歩したことは確か」

3. ウイリアムズ
「昨年活躍したウイリアムズは、テスト中、パフォーマンスにいい手応えを得ていた。ただ、メルセデスとのギャップは大きく、フェラーリとの戦いになると自身で予想している。ピットストップや戦略の面の向上にも取り組んだ」

4. レッドブル
「テスト序盤は問題の対処に追われたものの、ルノーエンジンの信頼性が向上し始めると状況が劇的に改善した。チームはRB11が前年型より強力なシャシーであると自信を示している。しかしルノーのパワーユニットがフェラーリやウイリアムズと戦えるだけのパフォーマンスを達成したのかどうかは不明」

5. トロロッソ
「序盤はルノーにトラブルが発生したものの、最終的にはルーキードライバーふたりが長距離を走破してデビューに備えることができた。テスト終盤に実戦版の『完全に新しいマシン』を導入、両ドライバーとも確実に進歩を感じ取っている。ルノー次第ではあるが、1年前と比べると間違いなく好調そうだ」

6. ロータス
「チーム体制が安定し、メルセデスのパワーユニットに変更、昨年とは打って変わっていいムードでテストをこなしていた。新車には多少ハンドリングが難しそうな部分が見えるが速さはあり、パストール・マルドナドはレッドブルやフェラーリに挑戦できると述べている。それは楽観的すぎるとしても、昨年と比べて大きく向上したのは間違いない」

7. ザウバー
「ソフト寄りのタイヤでトップタイムを出し、注目を集めたザウバーは、テスト中盤にトラブルに見舞われたが、最終テストでレースシミュレーションを繰り返し、順調にテストを終えた。マシンはコーナー入り口などでドライブしづらそうではあるが、ノーポイントに終わった昨年と比べて向上は見られているようだ」

8. フォース・インディア
「新車製作が遅れ、最初のテストを欠席し、2015年マシンでテストをできたのは2日半のみだった。しかしその間にマクラーレンが12日間で走行した距離に近い周回数を走りこんでおり、信頼性は高いものとみられる。一方でパフォーマンスに関しては、セルジオ・ペレスが他より『2段階遅れている』と述べており、開幕戦では苦労しそうだ」

9. マクラーレン
「“アグレッシブな”デザインと“野心的な”プランでメルセデスを倒すというマクラーレン・ホンダだが、最悪のスタートを切ったと言っていいだろう」というコメントと共に、マクラーレンは現時点では最下位の評価となった。

 ジョーダンやジャガーでテクニカルディレクターを務め、現在英AUTOSPORTのテクニカルコンサルタントを務めるゲイリー・アンダーソンは、テスト終了時のマクラーレン・ホンダについて次のような感想を述べている。

「多数の問題が発生し、十分な周回をこなせなかった。あまりにも物事がうまくいっていないことに私は非常にがっかりしている。ホンダが困難に直面しているのは確かだが、マクラーレンはワークスパートナーであり、責任の一部を担わなければならない」

「トラブルが多すぎて、マシンの能力について判断することはできなかった。現実的に見て、シーズン序盤には、マクラーレンにふさわしい位置で戦うのではなく、小規模チームとわずかなポイントを争うための戦いになる可能性がある」

「マクラーレンはトップチームのひとつとみなされているが、ここ数年の記録を見てみるべきだ。21世紀に入ってタイトルは一度しか獲得していないのだ。予算額から考えてこれは問題であるし、広範囲にわたって技術的な問題を抱えているものと考えられる。何よりも心配なのは、常に言い訳がなされることだ」
「マクラーレンとホンダのパートナーシップはスタートしたばかりであり、改善の余地が大きいのは確かだ。メルセデスと戦う能力があるアグレッシブなマシンとエンジンを採用したと彼らは述べており、言い訳の余地はない」
「マクラーレンは証明すべきことが山ほどある。プレッシャーは大きい」

本日のレースクイーン

青山水咲あおやまみさき
2025年 / スーパーGT
SUBARU BRZ GT GALS BREEZE
  • auto sport ch by autosport web

    FORMATION LAP Produced by auto sport : Hands in the Fight|0.25mmの戦い

    FORMATION LAP Produced by auto sport : Hands in the Fight|0.25mmの戦い

  • auto sport

    auto sport 2025年7月号 No.1609

    【特集】LE MANS 2025
    “史上最混戦”の俊足耐久プロト頂上決定戦

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円