F1第11戦ヨーロッパGP決勝は、ルーベンス・バリチェロ(ブラウンGP)が優勝。2位にはルイス・ハミルトン(マクラーレン)、3位はキミ・ライコネン(フェラーリ)という結果となった。ウイリアムズの中嶋一貴は18位、トヨタの2台、ヤルノ・トゥルーリは13位、ティモ・グロックは14位でレースを終えている。
バレンシアのストリートコースは晴れ、スタート前の気温は31℃、路面温度は47℃。全車スターティンググリッドにつき、ピットスタートを選択する車両はなし。
スタートはマクラーレンの2台がきっちりとポジションを守り、ハミルトン、コバライネンの1-2体制でオープニングラップを制す。後方集団では、ロメイン・グロージャン(ルノー)が車両にダメージを負いピットイン。また、グロックとセバスチャン・ブエミ(トロロッソ)は接触、グロックはパンク、ブエミもウイングを破損して交換をするなど、軽く荒れた展開となった。
トップ、ハミルトンは今回持ち込まれた2種類のタイヤ、スーパーソフトとソフトのうちスーパーソフトを装着してスタート、序盤からベストラップを連発して逃げを打つ。早くもただひとりラップタイムを1分39秒台に入れ、8周を終えて2番手コバライネンに対して5.2秒の差をつける。
ハミルトンは16周目、2番手の僚友コバライネンに7.5秒、3番手バリチェロに対して8.8秒のリードをつけてピットイン。タイヤは再びスーパーソフト、6番手でコースに戻る。その翌周、コバライネンがピットに入ると、先頭に立ったバリチェロはベストラップを更新、懸命の走行でリードを稼ぐ。
バリチェロの後方、2番手につけているライコネンは20周目にピットイン。これにより2番手に浮上したロズベルグに対して10秒近く先行したところでバリチェロが21周目にピットへと向かう。最初のスティントにソフトを装着していたバリチェロはここでもソフトタイヤを選択。このピットインでバリチェロはコバライネンを逆転し、ハミルトンの後方3.4秒、2番手で戦列に復帰した。
レースのおよそ1/3が終了し、2ストップ戦略を選択した陣営が初回のストップを終えたところでのトップ8は、ハミルトン、バリチェロ、コバライネン、ライコネン、ニコ・ロズベルグ(ウイリアムズ)、フェルナンド・アロンソ(ルノー)、マーク・ウエーバー(レッドブル)、ジャンカルロ・フィジケラ(フォース・インディア)というオーダー。
24周目にはシリーズランキング3位につけているセバスチャン・ベッテル(レッドブル)のマシンから白煙を上がりストップ。全戦ハンガリーに続いてのノーポイントとなってしまう。また、チームメイトのウエーバーも後の2回目のピットインでタイムロスして、ポイント圏外へと脱落、最終的に9位でフィニッシュとなり、レッドブル勢は今回、2台揃って無得点でバレンシアを後にする。
2度目のピットストップに向けてトップ2台、ハミルトンとバリチェロがペースアップ。37周目にハミルトンがピットイン、しかし、ピットは準備が整ってない状態でタイムロス。40周目にバリチェロがピットイン、今度はスーパーソフトタイヤを装着してコースへと戻り、ハミルトンの4秒前に出ることに成功した。
このあと、バリチェロはハミルトンとの差を広げていき、レースも残り5周という段階でリードは5.6秒。また、2番手ハミルトンと3番手ライコネン、4番手コバライネンとの差もそれぞれ、8.8秒、5.6秒となり、57周のレースはこのままのポジションを保ち終了。
バリチェロは2004年の中国GP以来、5年ぶりの勝利を祝うこととなった。4位以下はコバライネン、ロズベルグ、アロンソ、ジェンソン・バトン(ブラウンGP)、ロバート・クビカ(BMWザウバー)というトップ8となった。
中嶋一貴は40周目、左リヤタイヤがパンク。タイヤがホイールから取れた状態でピットまで戻り、タイヤ交換するなどして遅れ18位でフィニッシュとなった。
