F1第19戦アブダビGPの決勝でトップ10入りを果たしたドライバーたちが、レースを振り返った。
ニコ・ロズベルグ 決勝=1位
「完璧な形でシーズンを締めくくることができた。きつい一年だったから、どうしてもこういう終わり方をしたかった。6戦連続ポールと3連勝を達成できたなんて最高だよ。シーズン終盤にパフォーマンスを向上させることができてすごく嬉しい。去年はここでキャリアの中で一番辛い出来事があった(注:ドライバーズタイトルが懸かったレースでパワーユニットのトラブルに見舞われ、チャンスを失った)けれど、このコースと仲直りできて嬉しい。今日のレースは完璧だった。スタート、ピットストップ、タイヤマネジメント、すべてがとてもうまくいき、すべてをうまくコントロールできた。この素晴らしいシルバーアローを用意してくれたチームに心から感謝する。ファクトリーと現場のスタッフ全員が一年を通して素晴らしい仕事をしてくれた。明日にでも2016年シーズンを始められればいいのに。もちろん無理だってことは分かっているけれど。不思議だね。今この瞬間をものすごく楽しんでいる一方で、来年のことも考えている。何を変えられるかとか、自分のどこを向上させられるかとかね。一年間頑張ってきたから、これから皆それぞれ家族と一緒に休暇を過ごそう。僕も妻や幼い娘と一緒にゆっくり過ごせるのが楽しみだ」
ルイス・ハミルトン 決勝=2位
「とても難しいレースだった。ニコ(・ロズベルグ)の後ろを走っていた時、ファーストスティントの終盤、タイヤが終わってしまった。でもセカンドスティントはとてもうまくいった。終盤の戦略についてはよく分からない。シーズンの初めほど強くない状態で最終戦を終えることになった。それでも素晴らしい一年だったよ。チームは最高の仕事をしてくれたから、ファクトリーの皆に心からお礼を言いたい。彼らがいなかったら今僕はワールドチャンピオンになっていなかっただろう。これからシーズンオフだ。もっと強くなり、コンディションも整えて戻ってくるよ。2016年の新車をすぐにうまく操れるようにね。(決勝中の戦略について聞かれ)言われたとおりにやった。ファーストスティントでは全力でプッシュして、タイヤを管理しながらニコとのギャップをコントロールした。セカンドスティントでは僕の方が速かったから、1秒後ろまで迫った。あのタイヤはもっと長く持たせることができたと思う。でも最後のスティントでどのタイヤを履くかはチームが決めることだった。最後までタイヤを持たせることができたかどうかは何とも言えないけれど、やってみるべきだったという気持ちはある」
キミ・ライコネン 決勝=3位
「いい週末だった。順調だったよ。マシンのハンドリングはよかったし、何の問題も起こらなかった。決勝ではペースにも満足できたし、すべてがスムーズだった。ピットストップで少しだけロスがあって、多少遅れが出た。メルセデスと本格的に戦うことはできなかった。今日はもう少し近づけたんじゃないかと思うけど、3位はまずまずのリザルトだ。もちろんいつだって優勝したいし、優勝争いしたいと思っているけどね。去年の状況を考えると、チームの全員が本当によく頑張ったと思う。今年は最初から最後までずっとマシンにはすごく満足していた。リザルトもよくなっていった。来年はマシンがまた新しくなり、新しいチャレンジが始まる。今年は大きく進歩した。来年も今年と同じように取り組み、常に向上し、チーム一丸となって作業に当たる必要がある。来年どうなるかなんて誰にも分からない。予測するのはまだ早い。ベストを尽くした上で、ライバルたちの動きを見てみよう。時がたてば分かるよ。今年はずっと速さはありながらも、時々ミスやトラブルがあった。そのために最終的にあまりいい結果を出せないことが何度もあった。でも今週末はすべてがうまくいき、スムーズだった。ただ、ベストは尽くしたけれどメルセデスのふたりを倒せるだけの力はまだなかったね」
セバスチャン・ベッテル 決勝=4位
「もちろんまた表彰台に上りたかったけど、今日は僕らチームにとってこれが最大限の結果だったと思う。序盤にかなり時間をロスしたが、最後まで順位を上げようと努力し続けた。ペースはよかったよ。最初と最後のスティントが特によかった。マシンは好調で、何度かオーバーテイクもできた。すごく楽しかったし、ハッピーだ。キミ(・ライコネン)とは違うタイヤ戦略で走っていて、いずれコース上で出会うことは予想していた。キミが後ろから近付いてきたら、メルセデス勢に接近できるよう彼にポジションを譲るのは当然のことだった。残念ながらメルセデスを苦しめるには至らなかったけれど、少なくとも彼の邪魔はしたくなかった。今シーズンに満足すべきだと思う。もちろんメルセデスに追いつくための最後のステップを上るのが一番大変なのは分かっている。でも1年前の状況を考えれば、今年は奇跡のようなシーズンだったと思う。1年でこれほど大きく進歩したチームは他にないんじゃないかな。今ガレージには皆の笑顔があふれている。来年はもっと笑顔の数を増やしたい。今、このチームの一員であることがすごく嬉しい。フェラーリとの最初の年がこんな素晴らしいものになるなんてね。これからももっともっといい年が続くことを願っている」
セルジオ・ペレス 決勝=5位
「強力なパフォーマンスを発揮してシーズンを締めくくれるなんて最高の気分だ。今週末のすべての流れに満足だよ。予選も決勝もね。今日は(セバスチャン・)ベッテルに勝つためにかなり攻めたけれど、スーパーソフトでの彼のペースはとてもよくて、押さえ切ることなんてできなかった。その後のレースは特に何事もなく、大きなドラマも起きなかった。タイヤの管理に集中して走った。4位を走っていた時、ベッテルのピットウインドウ内にとどまろうとプッシュしていたら、タイヤが終わってしまい、終盤(ダニエル・)リカルドに追いつかれた。幸い彼からポジションを守れるだけの余裕はあった。今日は僕らに可能な最大限の結果を出したと思う。自分たちのパフォーマンスを誇りに思っていいだろう。今シーズンを振り返ると、僕にとってF1キャリアの中で最高のシーズンだったし、チームにとっても最も成功した年だった。来シーズンには大きな可能性がある。さらに上を目指すよ」
ダニエル・リカルド 決勝=6位
「トップ5に入れればもっと嬉しかったんだけどな。でもセブ(ベッテル)を押さえ切れなかった。追いついてくるのはもっとレース終盤になってからだと予想していた。1周はしのいだけれど、オプションタイヤを履いた彼の方が圧倒的に速かった。(セルジオ・)ペレスをとらえようとしたが、十分近づくことができなかった。スタートで(ニコ・)ヒュルケンベルグの様子をうかがい、仕掛けることに決めた。その甲斐はあったよ。面白かった時もあったけれど、もっとバトルがあった方がよかったな。マシン同士の間隔が開いてしまっていた。このサーキットでバトルをするのが好きなんだ。ビッグブレーキングの場所で自信を持って攻められる。いい形でシーズンを締めくくれたと思う。マシンの力を最大限に引き出すこともできた。だから数戦前と比べると、比較的満足した気持ちでシーズンを終えることができる。6位というのは僕らの週末の好調さを示す結果ではないかもしれないけど、すごく満足だ。来週末にでもすぐレースがしたい。でも同時にシーズンが終わったことを喜ぶ気持ちもある。来年はもっとよくなるはずだ。シーズン終盤には、シャシーの感触がよくなり、信頼感も高まってきていた。今シーズンを通して僕らの結束がさらに強くなった。彼らと一緒にこの先に進めるのが嬉しい。来年はもっといい年になるよう頑張るよ」
ニコ・ヒュルケンベルグ 決勝=7位
「ところどころで苦労させられた。すごくいいスタートを決めて、皆がイン側に行ったから僕はアウト側の位置をキープした。果敢に攻めていくつか順位を上げることができた。でもアンダーステアがひどく、マシンが曲がりづらい状態だった。ここはタイトなコーナーが多いから余計に苦労した。最初のふたつのスティントは辛かったが、終盤は少しよくなり、リズムに乗ることができた。それがポジションの維持に役立った。タフなレースだっただけに、7位といういい結果を出せて嬉しい。チームにとっていいシーズンだった。冬の間にこれを足掛かりにしてさらに向上することを目指す。僕自身にとってはキャリア最高の一年だったとは言えないけれど、今年起きたことから学ぶ機会になったので、もっと強くなって戻ってくるよ。今から2016年が楽しみだ。開幕戦から戦える状態に整えるため頑張る」
フェリペ・マッサ 決勝=8位
「とてもきついレースだった。でも似たようなペースのマシンを一台抜こうとした他には特に大きな出来事はなかった。期待していたようなペースはなく、この数戦はその代償を払い続けていた。こんな形でシーズンを終えるのは残念だが、2016年に強くなって戻ってこようというモチベーションにはつながる。チームの皆は頑張っているし、冬の間に大きく前進できることを願っている」
ロマン・グロージャン 決勝=9位
「いいレースをしてポイントを取った。最高の形でチームを去ることができる。お別れのプレゼントができることを誇りに思うよ。僕にとっては感傷的な道のりだった。エンストンのチームとの最後のレースでポイントを獲得し、皆にお返しができたことがすごく嬉しい。レースの最初から最後まで攻め続けなければならなかった。マシンにはいろいろと気を遣わなければならないものがあった。決して平坦な航海ではなかったんだ。でもピットウォールの判断は素晴らしかったし、ピットストップも最高の出来だった。このチームには本当に本当にお世話になった。僕にとって家族のような存在だ。将来いつの日か戻って来たい。僕のキャリアの中で最高のシーズンだった」
ダニール・クビアト 決勝=10位
「なんとか完走できてよかったし、レース前半のペースには満足できた。中盤まではかなりいいレースになりそうだった。(フェリペ・)マッサとうまく戦い、ヒュルケンベルグに迫っていた。でもその後、電気系のトラブルに見舞われ、戦うことを諦めなければならなかった。その後はストレートでかなりロスするような状態だった。ほぼ毎周、電気系の問題に対処する必要があった。そういう状況を考えると、今日は最大限の仕事ができたと思う。満足だよ。これからは2016年に気持ちを集中させる。冬の間に前進できるはずだ。期待している」
