フォーミュラEは、今季第8戦ドイツの開催地をベルリン市内のテンペルホーフ空港からノリスリンクへ移すことを検討しているようだ。
テンペルホーフ空港は2008年に閉鎖された国際空港で、昨年のベルリンePrixでも使用されている。今シーズンも5月21日の第8戦ベルリンePrixで使用される予定だったが、ドイツ政府が難民向けに空港のハンガーを貸し出しており、現在シリアなどから逃れたおよそ800名の難民が避難生活を送っている。
英AUTOSPORT.comによれば、フォーミュラEは空港を使用できないという正式な通達を受け取っており、開催場所をノリスリンクかベルリン市内、ミュンヘン市内へ移すことを検討しているという。ニュルンベルクの公道を使用するノリスリンクは1970年代からドイツツーリングカー選手権(DTM)を開催しており、シリーズのなかでも重要な1戦として位置づけられているほか、F3選手権でも使用されている。
フォーミュラEのCEOを務めるアレハンドロ・アガグは「積極地に代替候補を探している。我々のチームはドイツに入り検討を行っているよ」と語っている。
「ノリスリンクはレースをするための十分な設備が整っていて、モナコやロングビーチのように歴史のある場所だ。開催できれば最高だよ。周辺には熱心なモータースポーツファンも多い。ノリスリンクにはモータースポーツのすべてが揃っていると言っても過言ではないだろう」
「ただ、現段階では候補のひとつだ。ほかにベルリンやミュンヘンも候補に挙がっている。今は様々な場所と交渉を行っている段階なんだ」
第8戦ドイツ開催まで残された時間は6ヵ月を切っているが、代替地がドイツ国内である限り、ロジスティクスの問題は発生しないとアガグ。
「我々はコースに設置するウォールやフェンスをベルリンから輸送している。(開催地が)ベルリンでもミュンヘンでも、最低限の設備は整えることが可能だ。そしてノリスリンクには、すでにウォールやフェンスは備えられている」
限られた時間のなかで新たな開催地を探す必要に迫られているフォーミュラEだが、アガグはドイツ大会は重要で、開催を見送ることはできないとも述べている。
「フォーミュラEにとってドイツ大会はとても重要なんだ。シリーズをサポートしているパートナーは多いし、ドイツに本拠地を構えるチームも数多く参戦しているからね」
「ドイツの自動車産業も環境技術で優れた技術を持っている。我々にとってはキーマーケットなんだよ」