モナコ・モンテカルロ市街地コースで行われているフォーミュラE。その予選が行われ、e.ダムス・ルノーのセバスチャン・ブエミがポールポジションを獲得した。
現地時間の12時ちょうどから行われたフォーミュラE第7戦モナコePrixの予選。フォーミュラEで使われるモンテカルロ市街地コースは、F1コースを約半分にした、1周1.76kmのコースで行われる。ピットやメインストレートなどは、F1と全く同じである。
気温は20度と過ごしやすいコンディション。F1の時と同じように、港湾地区には多くの豪華クルーザーが繋留されている。
予選第1グループでは、チャイナ・レーシングからチーム名を変更したネクストEV TCRのネルソン・ピケjr.が、最初のアタックで54秒172という好タイムを記録する。ピケJr.は前戦ロングビーチePrixでフォーミュラE初優勝を記録しており、ここでも好調を維持している。
2回目のアタックでジャン-エリック・ベルニュがセクター1〜2で良いタイムを記録するが、最終コーナーひとつ手前のラスカスで痛恨のミス。54秒260に終わる。これをヴァージンのサム・バードが僅差で上回るが、ピケJr.が53秒712にタイムアップ。トップに立つ。その後、開幕戦の勝者ルーカス・ディ・グラッシ(アウディ・アプト)が53秒669のトップタイムを叩き出す。この時点で各車エネルギー切れとなり、グループ1終了。マヒンドラのカルン・チャンドックはここまで最下位で予選を終えている。セッション後ピケJr.は「アタックをディ・グラッシに邪魔された」と憤慨。本件は審議対象になっている。
予選第2組にはフリー走行1回目でトップタイムのe.ダムス・ルノーのニコラス・プロストと、フリー走行2回目でトップタイムのマヒンドラのブルーノ・セナらが出走。1回目のアタックでジェローム・ダンブロジオ(ヴァージン)が53秒909を記録して、全体の3番手に入るが、その他のドライバーは良いタイムを記録できず。2回目のアタックではステファン・サラザン(ベンチュリ)が最終コーナーのアントニー・ノーズをギリギリまで攻めて54秒1を記録。プロストはダンブロジオと全く同タイムの53秒909で4番手。セナはタイムを伸ばせず54秒035がやっとで6番手。ダンブロジオは2度目のアタックで自身のタイムを更新して53秒702。グループ1トップのディ・グラッシに僅か0.033秒と迫る。ダニエル・アプト(アウディ・アプト)も53秒891で全体の4番手に入っている。
予選第3組はセバスチャン・ブエミ(e.ダムス・ルノー)やロイック・デュバル(ドラゴン)らが出走。最初のアタックでは多くのマシンが好タイムを記録できない中、ブエミが54秒015を記録する。2回目のアタックでは、デュバルが53秒8を記録して全体の4番手につけると、ブエミが渾身のアタック。各セクターで最速を記録して、53秒478と圧倒的な速さで全体トップに立つ。アムリン・アグリのサルバドール・デュランは10番手。スコット・スピード(アンドレッティ)とシャルル・ピック(ネクストEV TCR)は後方に沈んでいる。特にスピードは、他のドライバーよりもアタックのタイミングを遅らせたが、効果はなかった。
予選第4グループには、F1モナコGPで優勝経験のあるヤルノ・トゥルーリ(トゥルーリ)や、アムリン・アグリのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタらが出走。1回目のアタックでハイメ・アルグエルスアリ(ヴァージン)とビタントニオ・リウッツィ(トゥルーリ)が54秒台を記録。ニック・ハイドフェルド(ベンチュリ)とトゥルーリがアタックに入ったところ、ダ・コスタがタバココーナーアウト側にクラッシュ! 右リヤを激しく壊しており、残り6分というところで赤旗が掲示されてしまう。
しかしさすがはモナコのマーシャル。迅速な行動でダ・コスタのマシンを撤去し、すぐさまセッション再開。アルグエルスアリが54秒021で全体の8番手を記録。他のドライバーも54秒を切ることができない。トゥルーリとハイドフェルドは最後の最後までアタック。ハイドフェルドは最後に54秒129を叩き出し、10番手に入っている。
これでブエミがポールポジション。ディ・グラッシが2番手、ダンブロジオが3番手からスタートすることになるが、彼らふたりは審議対象となっており、その結果次第では、グリッド降格などのペナルティ課せられる可能性もある。他にもバードやアルグエルスアリ、アプトらが審議対象となっていると共に、デュバル、チャンドック、アルグエルスアリはパーツ交換によるグリッド降格が決まっている。
モナコ、モンテカルロ市街地コースで行われる初めてのフォーミュラE。どんなレースになるのか? 決勝レースは日本時間の今晩23時にスタートする。