FIA国際自動車連盟はWRC世界ラリー選手権の2015年シーズン開幕から、車内に他車の区間タイムやギャップを表示することを禁止すると決定した。
FIAのラリー責任者ヤルモ・マホネンは、委員会がタイム表示によってドライバーがプッシュしなくなっていると考えたため、順位やギャップが管理されないようこの決定がなされたと述べた。
水曜に開催されたワールド・モータースポーツカウンシル(WMSC)の会合後、FIAは「2015年シーズンから、より競争を促すため、スペシャルステージの間、安全にかかわる場合を除きパフォーマンスデータやインフォメーションを送受信することを禁止する」と声明を発表した。
しかし、新しい方策がどれだけ厳格に施行されるのか懸念があるとして、チームとドライバーの間では支持されていない。フォルクスワーゲンのチーム代表のヨースト・カピートは英AUTOSPORT.comに以下のように語っている。
「全員同じ規則になるから問題はないが、止めることはできないだろう。監視するのは不可能だ。もし我々のチームの誰かが、ライバルチームのティエリー・ヌービルに区間タイムを見せたらどうなる? ヌービルは失格になるのだろうか? これを制御するのは不可能であり、それゆえ馬鹿げたものだと考えている」
FIAのマホネンは、厳格な制裁を課すことが抑止力になるだろうと述べている。
「もちろん100パーセント取り締まることはできない。しかし違反を犯した際の罰則は、十分な抑止力になる。もし違反が見つかれば、選手権から除外される可能性がある。マニュファクチャ―はそのリスクは犯さないだろう」と彼は述べた。