スーパーGT300クラスでメルセデスベンツSLS AMG GT3で参戦しているGAINERは11日、10月18日〜20日に予定されているWEC世界耐久選手権第6戦富士にグリーブス・モータースポーツと提携、ザイテックZ11SN・ニッサンで参戦すると発表した。
今季はスーパーGTのGT300クラスで2台のメルセデスベンツSLS AMG GT3を走らせ、シリーズチャンピオンを争うトップチームのひとつとなっているGAINER。過去には2005年には童夢S101HB・無限でル・マン24時間に参戦した実績もある。
その後もGAINERではル・マンへの挑戦を模索。もちろん、トップカテゴリーであるLMP1への挑戦を前提としていたというが、近年のLMP1クラスは完全にメーカーワークスによる争いとなっており、GAINERではプライベーターによる現実的なカテゴリとしてLMP2に注目した。
GAINERでは、今季のル・マン24時間の後からLMP2への調査を開始。ただ2013年から2014年にかけてレギュレーションが変更されることもあり、14年は新旧のマシンが混走する。そこで、どちらのマシンが有利なのか研究を重ねたというが、「残念ながら我々は、現在でも2013年カーと2014年カーのどちらが有利か? ハッキリとした答えを得ていません。そこで2014年は新旧のマシンが混走するため、我々は、2014年まで、慎重な調査を行うことを決定しました」と研究を継続することを決めたという。
そこで、調査の最初のステップとしてGAINERは今季のWEC第6戦富士6時間への参加を決定。現在LMP2クラスにはオレカ、ザイテック、ローラ、ロータスという4つのコンストラクターのマシンがあるが、GAINERでは高い信頼性をもつザイテック、そしてニッサンVK45DEエンジンというパッケージが最も戦闘力があると判断。「調査のためには、自身がマシンを購入するより既存チームと提携する方が有利」という選択から、以前からスタッフ同士のつき合いがあったグリーブス・モータースポーツと提携することを決めたという。
グリーブス・モータースポーツは、LMP2クラスでニッサンVK45DEエンジンを最初に使い始めたチームで、ル・マン24時間のクラス優勝をはじめ、多くのタイトルを獲得した実績をもつ。また、今季のル・マン24時間ではニッサンGTアカデミーのドライバーが乗車し表彰台を獲得した。今回のWEC富士では、GAINERとグリーブスがコラボレーションし参戦する体制となる。
そして、このGAINER×グリーブスのザイテック・ニッサンのステアリングを握るのは、スーパーGTでもエースとしてチームを引っ張る平中克幸だ。平中にとっては初めてのWEC、そしてLMPカーの体験となるが、フォーミュラ・ニッポンやGT500の経験も豊富で、かつ過去にはユーロF3で戦った実績もあることから不安はないだろう。
チームでは残るふたりのドライバーを現在選定中だというが、LMP2では唯一の“日本チーム”からの参戦は非常に楽しみなところだ。GAINERでは現在のところWEC参戦はこの富士のみで、今後については慎重に計画を練っていくことになるという。