前戦ロシアGPでは地元のテレビ局に、さらなるアメリカでのF1開催には積極的ではないとコメントしたバーニー・エクレストン。しかし、それはロシアのウラジーミル・プーチン大統領に気を遣った発言だったようだ。

 というのも、ロシアGPから2週間後のアメリカGPでは一転して「アメリカ・ラウンドの追加を計画している」と、エクレストンが発言したからである。

 この言葉は、スカイ・スポーツのインタビューに答えたものだ。フリー走行2回目の時間に、コントロールルームへ顔を出したエクレストンをピットレポーターであるテッド・クラビッツが直撃した。

 まずはハリケーン接近に伴う悪天候で、今週末どのように運営していくかという質問だったが、エクレストンの答えは「雨が降っているということ以外は何も言えない。ひとつ言えるのは、観客の安全を優先しなければならないということだ」というものだったため、クラビッツは矛先を変えて「今後F1カレンダーへ、さらにアメリカ戦を加えるつもりはあるのか」と尋ねた。

 すると、エクレストンは「ある」と返答。クラビッツが「それは(かつて開催を計画していたものの直前になって頓挫したニュージャージーがある)東か? あるいは(復活が噂されているロングビーチがある)西か?」と続けると、エクレストンは「西だ」と答えた。ただしクラビッツが「それはロングビーチですか」と問うたところ「ロングビーチではない」と明言したのである。

 ロングビーチ以外に西海岸でF1が開催される可能性があるのは、カリフォルニア州モンテレーのラグナ・セカ、同じくカリフォルニア州のソノマだ。ラグナ・セカは2013年までMotoGPを開催していたが、現在はスーパーバイク世界選手権のほか大きなレースはなく、日程的には可能性がある。現在ラグナ・セカはマツダがサーキットの命名権を得て「マツダ・レースウェイ・ラグナ・セカ」となっているが、この権利は2016年末まで。命名権の契約を延長しなければ、2017年以降のF1開催には影響しない。

 ソノマ・レースウェイはインディカー・シリーズの開催地となっているためF1を誘致する可能性は低いと見られているが、収容人数が約7万人のラグナ・セカと比べて、ソノマは10万人以上。F1を盛大に開催したいエクレストンにとっては申しぶんのない規模だ。

 エクレストンへのインタビューが行われたあと、FIAはフリー走行2回目の中止を発表。翌日の土曜も悪天候は続いたが、フリー走行3回目は予定どおりに行い、予選もすぐキャンセルとはせず、何度か遅延を行った末に日曜への延期を発表した。そこにはアメリカのマーケットを意識した配慮もあったのではないだろうか。

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