ブラジルGPで、ルノーの最新スペックのパワーユニットが走った。ルノーは4メーカー中、最も多い12トークンを所持してシーズンインしたものの、これまでトークンを使用した改良型を投入してこなかった。

 今回、初登場した最新型はルノーが11トークンを使用したもの。ルノー・スポールのディレクター・オブ・オペレーションを担当するレミ・タファンによれば「ICEをアップグレードした」という。新しいICEはブラジルGPに向けて改良したものではなく「来季の方向性を探るためのトライ」で、「アメリカGPの時点で用意できていたが、あいにくの天候となったため実戦投入が見送られていた」とタファンは説明する。

 この最新型をブラジルGPの金曜に搭載したのは、レッドブルのダニエル・リカルドのマシンだけ。この件についてレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は「パワーユニットのローテーションを考えると、クビアトよりもリカルドのほうがきつかったので、ペナルティを受けてでも新しいパワーユニットを使用するのはリカルドのほうが良いと判断した」と語っている。

 リカルドは前戦メキシコGPまでに7基のICEを使用。今回は最初の8基目となり、スターティンググリッドが10番手降格することが決定している。さらに、リカルドは走る前から「そんなにラップタイムは上がらないだろうとルノーのスタッフに説明を受けているので過度な期待はしていない。おそらくタイムアップはコンマ1秒か2秒くらいだろう」と語っており、今回レッドブルが新しいICEを使用する理由は、パフォーマンスを追い求めてというより、今後のルノーの開発をサポートするためであると想像できる。

 そうなると、いまだに決定していないレッドブルの2016年パワーユニット問題につながってくる。今回トロロッソは最新型を搭載せず、レッドブルだけが使用したのは、トロロッソとフェラーリの交渉が大詰めを迎えていることが関係していると考えられる。今回レッドブルがルノーの新パワーユニットを使ったということは、来季についてルノーとの交渉で前進があったのだろう。新しいルノー製エンジンを走らせたリカルドは言う。

「ブラジルGPで走らせたパワーユニットに何か期待できるものがあれば、それが僕たちの選択肢になるかもしれない」

 フリー走行1回目のベストタイムで、リカルドはチームメイトのダニール・クビアトより、予想どおりに「コンマ2秒」ほど速かった。この結果を喜んだのはドライバーだけではなかったようだ。

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