シルバーストンGP2決勝レース2は、前日のレース1で苦汁を舐めたドライバーたちの逆襲が繰り広げられた。オーストリア終了時点でランキング2位につけていたリオ・ハリアントは、レース1では良いところなく10位でフィニッシュしたが、上位のペナルティによって8位に繰り上がったため、レース2はポールポジションからスタートできることになった。
全車ハードタイヤで臨んだスタートで首位を守ったハリアントは、29周というレース距離を走り切るにはタイヤのライフが際どいため、巧みにペースをコントロールしていく。2位にはラファエル・マルチェッロ、以下ピエール・ガスリー、アレクサンダー・ロッシ、アレックス・リンと続く。だが、スタート直後のターン1でロッシがリンを抜いたとき、コース外にはみ出していたため、ロッシに5秒加算ペナルティが科されることになった。
スタート直後の混戦で2番グリッドのニック・イエロリーは6位、6番グリッドのバンドーンは9位までポジションを下げた。バンドーンは6周目にダニール・デ・ヨングをパスして8位に上がる。前にはランキング2位のセルゲイ・シロトキンがいるが、フロントタイヤのグレイニングに苦しみ、5位リンから続く3台の接近戦についていくことができない。
秒差で続く上位勢は各車がDRSを使用しているため、ほとんどオーバーテイクを仕掛けることができないまま膠着状態に入った。イエロリーは果敢にリンを攻め立てて前をうかがうが、16周目に挙動を乱してシロトキンにポジションを奪われてしまった。しかしレース終盤の20周目にはシロトキンのタイヤがタレ、ウッドコートの立ち上がりでインに並びかけてコプスで前に出て6位を奪い返す。
一方、バンドーンのペースはいつまで経っても上がらず、18周目には今週GP2デビューのオリバー・ローランドにターン4でインを刺されて9位へと後退。良いところなく今季初のノーポイントで終えることになってしまった。勢いに乗るローランドは最終ラップにシロトキンまでターン3で捉え、7位でフィニッシュしてみせた。リンを攻め続けたイエロリーも、最終ラップのウッドコートでアウト側から並んで抜き去り、5位へ浮上してチェッカー。
首位ハリアントは危なげなくポジションを守り抜いて今季3勝目、前日レース1の不発で下がっていたシリーズランキングを再び3位に戻した。2位はマルチェロ、3位はガスリー、ランキング2位のロッシは手堅く4位を確保した。
レース1の不運なリタイアによって後方スタートを強いられた松下信治は、スタートでホイールスピンを喫して出遅れたものの、すぐに本来のペースで22位まで順位を上げた。だが、そこから先は集団に埋もれての走行が続き苦戦する。
「スタートではタイヤが温まっていなかったこともあってホイールスピンしてしまいました。ゴチャゴチャしている間にいくつかポジションは上げましたけど、その後はずっと抜けなかった。マシンバランス的にも抜ける雰囲気はなく、速さで抜くという感じではなかったんです」
バンドーンと同じセットアップを施した松下のマシンは、チームメイトと同様にグレイニングに苦しめられていたという。
「タイヤが完全にダメで、フロントがまったく入っていかなかった。それで向きが変えられないから、どうしようもなかったです」
パワステなしのGP2ではステアリングが重く、横Gも激しいシルバーストンは体力的に厳しいサーキットのひとつだ。さらに精神的にも疲れたと松下は語る。
「いままでで一番疲れました。体力的にもキツいサーキットだし、今日は精神的にも疲れましたね。上位を走っていたら、もうちょっと楽しかったと思うんですけど……」
結果はついてはこなかったが、それでも予選からレースを通じてシルバーストンで速さを証明できたことは自信を与えてくれた。次のハンガロリンクはキャラクターの異なるサーキットだが、活躍に期待したい。
