伝統のスパ・フランコルシャンで行われたGP2決勝レース1は、大荒れの展開となった。スタートでポールポジションのストフェル・バンドーンが出遅れると、好加速を決めた3番グリッドのセルゲイ・シロトキンが前に出るが、ターン1で止まり切れずにランオフエリアへ出て後退。その後方で4番手に浮上した松下信治は2番グリッドのオリバー・ローランドのインに入ろうとするが、ミラーを見ていなかったローランドが急激にインにラインを変更したため、松下は避けきれずに追突、フロントウイングを失ってしまう。

「彼は後ろの僕を見ていなかったと話していました。レーシングアクシデントと判断され、僕にはどうすることもできませんでしたけど、良いレースができたはずだっただけに、とても悔しいです」と、松下。

 結果的にバンドーンが首位に立ち、1コーナーの混乱に乗じてアレクサンダー・ロッシが8番グリッドから2番手に浮上、シロトキン、ミッチ・エバンスと続いた。

 しかし5周目のブランシモンでピエール・ガスリーのアウト側に並びかけたダニール・デ・ヨングのフロントタイヤがガスリーのリヤタイヤに接触し、デ・ヨングのマシンは浮き上がり、まっすぐにコースオフしてタイヤバリアに高速で突き刺さってしまう。マシンがタイヤバリアの上に乗り上げるようなかたちで停止する大きな事故となり、セーフティカーが導入された。

 ここで上位ではただひとりソフトタイヤでスタートしていたバンドーンと、中団のカンポス勢、ジュリアン・リール、アルテム・マルケロフがピットに入ってタイヤ交換義務を消化。逆に、ハードタイヤでスタートした大半のドライバーは、残り周回数を考えてタイヤ交換ができない。

 ドライバーの救出とタイヤバリアの修復に長い時間がかかると判断されたため、レースは8周終了時点で赤旗が提示されて一時中断。デ・ヨングは救急車でメディカルセンターに搬送されたが、幸い深刻なダメージは免れ、精密検査のためヘリコプターでリエージュの病院へ搬送された。

 約30分の中断後、レースはセーフティカー先導で9周目から再開された。トップはロッシに変わり、ピットインを済ませた5台は9番手バンドーンを先頭に13位までの位置を占めている。

 翌周にセーフティカーが離れると、ノーズ交換後に18番手から浮上を狙っていた松下が、11周目のターン1で前のニック・イエロリーのインを突く。しかし後方を見ていなかったイエロリーはターンインしてしまい、両者は接触。ここで松下はリタイアを余儀なくされてしまった。

「フロントウイングがマシンの下に入ってしまってステアリングが効きづらい状態になってしまったので、コース上にマシンを止めることにしました。これもレーシングアクシデントではありましたが、せっかくマシンは速かったんだし、あとになって思えば何もあそこで急いで仕掛ける必要はなかったかもしれません。もっとレース全体を見て、冷静にレースを運ぶことを学ばなければならないと痛感しました」

 これでレース2は後方グリッドからのスタートとなってしまうが、松下は「できるだけ学びたい」と前向きな姿勢を見せている。

 レース再開後、バンドーンはハードタイヤで安定した走行を見せ、ラファエル・マルチェッロを抜き去るなど徐々にポジションを上げていく。一方でタイヤがタレてきた上位勢は、15周目のマルチェッロを皮切りにソフトタイヤへの交換を開始し、全車がピットストップを終えるとバンドーンは悠々とトップに立った。

 その後方ではリオ・ハリアントが僚友のアーサー・ピックを抜いて2番手に浮上したが、レース再開時の作業規定違反(スタート15秒前に全作業終了)のため10秒ストップ&ゴーペナルティを科せられて後退。これで2位はピック、その後方ではマルケロフとリールが激しいバトルを展開し、最終ラップの最終シケインでは両者もつれあいながらコースオフしたものの、なんとかマルケロフが3位を守り切った。途中14番手まで後退したロッシは、終盤の猛追で6位まで挽回してレースを終えた。

 首位バンドーンは、そのままトップでチェッカー。予選で圧倒的な速さを見せただけでなく、スタート直後のセーフティカー導入を想定した決勝の戦略も見事に当て、母国ベルギーでGP2では初のベルギー人ウイナーとなった。土曜日のスパ・フランコルシャンではGP3やポルシェカップでも大クラッシュが続発したが、バンドーンだけは事故に翻弄されることなく、風格を見せつけた。

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