5月23日、GP2第3戦モナコの決勝レース2が行われた。F1の予選後に空は曇り始め、小雨もパラつくようなコンディションでスタート。しかし路面はウエット状態にはならず、全車ソフトタイヤでレースに臨んだ。
グリッドに向かう途中でミッチ・エバンスのマシンが止まり、フォーメーションラップ直前にはマルコ・ソレンセンのクルーがスタート15秒前を過ぎたあとにエンジン再始動を行ったため10秒加算ペナルティが科せられるなど、やや荒れ気味の幕開けとなった。
ポールポジションのラファエル・マルチェッロは発進加速が鈍く、2番グリッドのリッチー・スタンアウェイが1コーナーまでに首位に立った。その後方では7番グリッドのアレクサンダー・ロッシが前走車に追突してノーズを痛めたが、選手権を争う8番グリッドのストフェル・バンドーンの先行は、なんとか阻止してみせた。
1周目のリバージュの上り坂でジョニー・チェコットJr.がゾエル・アンバーグに追突し、アンバーグはバリアにクラッシュしてリタイア。さらにヘアピンでも混乱が起き、ノーマン・ナトに強引にイン側に入られたリオ・ハリアントがアウト側のバリアへ押しやられてリタイア。ナトには10秒加算ペナルティが科せられた。
この事故を受けてバーチャルセーフティカーが適用されたが、1周で解除されてレース再開。ここからは首位に立ったスタンアウェイがファステストラップ連発の走りで後続を引き離し、独走態勢を築いていった。7周目には5番手のセルジオ・カナマサスが前日のレース1を思い起こさせるような1コーナーでのアタックでジュリアン・リールをパス。さらに7番手ロッシと8番手バンドーン、タイトルを争うライバル同士のバトルも白熱する。
レース中盤になると2番手マルチェッロのペースが落ち、セルゲイ・シロトキンが迫るものの、なかなか抜けない。25周目にはヌーベルシケインでジョーダン・キングが前のピエール・ガスリーのリヤタイヤに乗り上げて宙を舞うというヒヤリとする場面もあり、キングには次戦3グリッド降格ペナルティが言い渡された。
レース終盤には海側で再び小雨が降り始め、特にセクター2は滑りやすくなった。トップを走るスタンアウェイは最終ラップの最終コーナー出口でリヤが流れて、あわやガードレールにヒットというピンチも切り抜け、自身初優勝を飾った。「抜けないモナコ」を証明するかのように、後続もそのままの順位でチェッカーを受けた。
前日の接触によるペナルティでピットスタートを科せられた松下信治は、7周目を過ぎたあたりから徐々にペースを上げて、完全にトップと同等のペースで前との差を縮めていく。
「スタート後はわざと間隔を開けて走行して、あとは全力でプッシュしました。最後尾からポイント圏内まで行くのはほぼ不可能だと判断して、モナコというコースを全力で30周走ることも勉強になるだろうと思って、チームと相談して決めたんです」
レース終盤には15番手のレネ・ビンダーが抑える5台の集団に追いついたが、マーロン・ストッキンガーに0.7秒差まで近づいたものの、結局オーバーテイクのチャンスはつかめなかった。
「最後は前に追いついたので、また抜こうと試みたんですが、やはり無理でした」
それでも初体験のモナコで得たものは大きかったと言う。
「僕にとって初の市街地サーキットだし、初めてウエットタイヤも使い、最高の経験が積めました。この狭い市街地サーキットをGP2で走るのは本当にシビレたし、昔から何度もテレビで見ていたモナコを走るのは本当に楽しかったです。結果は悔しいけど、とても面白い週末でした」
モナコの週末はレース1のリタイアから不本意なものとなってしまったが、松下は焦りは感じていないようだ。次戦での雪辱を力強く語ってくれた。
「いまの自分にとってリタイアは御法度ですから本当に残念ですけど、守りに入らなかったのはポジティブなことだし、アグレッシブに攻める気持ちはこの先も大切にしたい。もちろん結果が欲しいけど、まずは目の前の階段を確実に乗り越えて行くときだと思っています。シーズン中にチャンスはやってくると思うし、そのときに万全の体制で臨めるように、ひたすら努力あるのみです」
次戦は約3週間のインターバルを挟んで、F1オーストリアGPのサポートレースとしてレッドブルリンクで開催される。
