F1シンガポールGPの併催レースとして開催されたGP2シリーズ第10戦は、カーリンのジョリオン・パーマーが今季2勝目、レース2ではロシアン・タイムのサム・バードが5勝目を挙げた。
28周で争われた土曜日のレース1は、予選でポールポジションを獲得したパーマーがアンチストールの誤作動でスタートに出遅れ、フロントロウに並んだもう一台のカーリン、フェリペ・ナスールがトップに浮上。一方のパーマーは5番手まで順位を落としたが、直後の1〜2コーナーで前に出た数台がオーバーランしたため、なんとか3番手までポジションを戻した。
パーマーは4周目に2番手ファビオ・ライマー(レーシング・エンジニアリング)を攻略、そこからさらに5秒先を走るナスールを追いかけると、彼がピットストップに向かった10周目に3.6秒差まで詰め寄った。だが、ライバルよりも3周多くファーストスティントを走ったパーマーは、逆にナスールの10秒後方でコースに復帰することとなった。
レースは、15周目にトップのナスールと2番手パーマーの差が13.4秒まで開いたため、そのままナスールが勝利を収めるかと思われたが、レースが終盤にはいるとナスールはタイヤのひどいデグラデーションに悩まされ、パーマーの追い上げを許してしまう。そして残り3周、ナスールが必死の防戦をみせるもパーマーが難なくポジションを奪い、最終的には13秒の大差を築いて今季2度目のトップチェッカーを受けた。
レース2では、リバースグリッドでポールからスタートしたバードが優勝。2位にマーカス・エリクソン、3位にはライマーが入った。
これで最終戦アブダビを残すのみとなった2013年のGP2は、ライマーが179ポイント、バード172ポイントと事実上このふたりによるタイトル決戦に。ランキング3位のナスールはレース2のノーポイントが響き、トップとは31ポイント差。また、シリーズ序盤をリードしてきたステファノ・コレッティ(ラパックス)は4ラウンド連続のノーポイントに終わり、タイトル争いから完全に脱落してしまった。