GP2イギリスラウンドのレース2は、通常よりも1時間早いF1のスケジュールに合わせて日曜の朝9時20分のスタート。日曜はこの週末の中で最も冷え込んだこともあって、気温13度、路面温度21度という極めて寒いコンディションでのレースとなった。空にはどんよりとした雲がひろがっているものの、雨の予報はない。

 レース2はタイヤ交換の義務がないため、どのマシンも摩耗の速いミディアムではなく、ライフの長いハードタイヤを選択している。

 スタートはリバースグリッドでポールポジションのフェリペ・ナスールが好加速を決めてトップに立ち、ステファノ・コレッティ、ジョニー・チェコット、ジュリアン・レアル、ステファン・リケルミという上位の順位に変動はない。後方では最後尾スタートのラファエレ・マルチェロが右リヤに追突されて1周目でリタイアとなったが、大きな混乱には至らなかった。

 12番グリッドの伊沢拓也は1周目に14位まで順位を落としたが、前のリオ・ハリヤントがマシントラブルでリタイアしたため順位をひとつ上げ、アルトゥール・ピックを従えて13番手を走る。22番グリッドの佐藤公哉はまだ不安定なクラッチの扱いに慣れきっておらず、そのポジションをキープするのが精一杯だった。

 1周目に6位に上がったジョリオン・パーマーは、リケルミが4周目のターン1〜2でふらついてバランスを崩した隙を見逃さずにオーバーテイクしてさらにひとつ順位を上げた。一方2位コレッティは首位ナスールを猛追し、1秒を切るギャップでチャンスを窺う。徐々に引き離されていく3位チェコットの後方にはレアルとパーマーが秒差で続き、自力に優るパーマーは11周目にレアルを交わして4位まで浮上してきた。さらに8位にはこのイギリスラウンドからGP2に参戦してきたマルコ・ソレンセンがつけるがペースは思わしくなく、その後方には12位までトレインが形成されてしまった。

 レースが後半に入ると左フロントタイヤの摩耗が進んだコレッティのペースは徐々に落ち始め、ナスールは一人旅になる。時にはコレッティよりも1周で1秒も早いペースで走り、ナスールはコレッティを寄せつけずそのまま走り切ってレース2の優勝をもぎ取った。ドライバーズランキング2位でパーマーを追うナスールにとっては、レース1で思うように結果が残せなかっただけに極めて重要な勝利となった。

 コレッティはなんとかペースを維持して3位チェコットに詰め寄らせず、2位を守ったままチェッカーを受けた。4位以下はレース中盤以降は大きな順位の変動もなく、レース1の勝者ミッチ・エバンスはペースの上がらないリケルミを追い詰めたものの、僅かに届かず7位のままでフィニッシュとなった。

 伊沢は19周目にターン4でインを突いたピックとサイド・バイ・サイドになりクラッシュ。ピックはフロントウイングが脱落し、伊沢もタイヤがパンクしたためピットに戻りリタイアとなった。純粋なレーシングアクシデントのようにも見えたが、レース後のスチュワード審議の結果、伊沢が充分なスペースを残していなかったとして次戦5グリッド降格のペナルティが科せられた。

 伊沢自身はこの裁定に納得がいっていない様子だ。
「後ろのピックの動きに注意してはいたんですが、あそこであの入り方をされたら当たるしかないと思います。裁定には納得できませんが、(あのアタックが許されて)僕が避ければ良かったというのならこれがGP2のレースなんでしょうし、今後は気をつけなければならないと思います」

 シルバーストン習熟が進んだレース2では良い走りができたという伊沢だが、予選・レース1で中団グループに沈んでいては本来のペースを見せることもできない。その点は本人も重々承知で、だからこそ余計に悔しさも残る。

「レースを通してシルバーストンの習熟も進みましたし、マシンも週末で一番良い状態だったので、良いペースで走れていました。でも今週は(ハードの)タイヤのライフもほとんど気にする必要がないような状態でしたし、レース展開としてはあれ以上はどうすることもできなかったと思います。でもそれは言い訳にしかならないので、結果からすれば“遅い"のひと言だと思います」

 一方、佐藤公哉はマシンのハンドリングに問題が発生し、右コーナーが曲がりにくい症状に苦しみながらの走行を強いられた。そのため思うようにプッシュできず、ただ完走を目指すだけの走りとなった。

「原因はまだ把握できていないんですが、ステアリングが左には普通に切れるのに右に切れないという症状が出てしまいました。そのせいで左フロントタイヤに負荷がかかって摩耗が進んでしまうし、しかも悪いことにここは右コーナーが多いので余計に苦労させられました。普通にレースができるような状態ではなかったです」

 イニシャルセットアップを外しただけでなく、シートの不良やステアリングのトラブルなど、今週末のカンポスにはレース以前の問題も噴出した。

「今シーズンで一番酷かったですね。僕にとってシルバーストンはフォーミュラフォード時代も含めてこれまで7000ラップくらい走っていて一番良く知っているサーキットだったのに、それ以前の問題でしたから。チーム全体の底上げが必要だと思いますが、やることが多すぎてどこから手を着けて良いのか……。そんなことを言っていたらあっという間にシーズンが終わってしまうので、どこかにフォーカスして改善を図っていかなければならないと思いますね」

 次のホッケンハイムは2人ともに経験のあるサーキット。なんとかここまでの苦境を脱して浮上するきっかけを掴めるラウンドにしてもらいたい。

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