カタルーニャ・サーキットは、伊沢拓也に厳しかった。

 金曜午前の練習走行では、初めてのサーキットながらセッション時間はわずか45分。それも、使用できるタイヤの本数は実質1セットのみ。つまり、最初の走り出しで、タイヤのグリップが一番高い“おいしい部分”が終わってしまい、そこでのタイムが練習走行のベストタイムになる。伊沢は初のカタルーニャ・サーキットでの最初の順位を最後尾の26位で迎えることになった。

「とにかく時間が足りなかった。せっかくサーキットに慣れてきたと思っても、タイヤはユーズドでどんどんグリップが落ちていく状況。練習走行~予選とステップを踏みたいけど、それができない。せめてもう1セットニュータイヤが使えれば、もっと状況が違うんでしょうけど」

 伊沢は冷静に現状を振り返るが、この与えられた状況でなんとか結果を出さなければいけないのも、もちろん招致している。それはいわば、このGP2の難しさ、これから続く初コースでの走行であり、伊沢はいきなり洗礼を喰らった形となった。

 続く午後の予選でも、難関カタルーニャ・サーキットに翻弄される。

「セクター3と、そこの何個かのコーナーが遅い。日本のサーキットにはないようなコーナーが2つあって(9コーナー、13コーナー)そこが上手くいかない。そのあたりはシミュレーションでは分からない部分でした」

 最終セクターの右の13コーナーはブラインドになっている上に、アウト側が下っている逆バンク状態。コースサイドで見ていても、ここをきちんと攻め切れているマシンは予選で4台程度しか見当たらなかった。伊沢は明らかにここでの進入速度が低く、出口でも外まで攻め切れていない。それでも、課題が明らかだけに、伊沢の落ち込みも前回ほどではないという。

「バーレーンはテストで走行していたのにクルマのフィーリングがつかめなかった。でも、今回は予選順位は同じですけど、多少アジャストできているかな。本当にサーキットを知らないという部分でタイムを上げられなかった。不本意な結果ですけど、自分で攻めれる部分もあるし、クルマとのフィーリングもバーレーンの頃よりは改善しています」

 同じスターティンググリッドから、決勝は開幕戦のような怒濤のオーバーテイクを見せることができるのか?

「正直、バーレーンの予選後は何も見えなかった。でも、今回は(改善点が)見えている。それができるかできないかが大きな差なんですけど、少なからず、ちょっとしたステップは踏めていると思います。決勝はバーレーンよりは難しいとは思いますが、開幕戦くらい魅せたいなと思っています」

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